1992 Fiscal Year Annual Research Report
ほう素系単結晶及びほう素処理をした下地表面でのダイヤモンドのエピタキシャル成長
Project/Area Number |
04805003
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
犬塚 直夫 青山学院大学, 理工学部, 教授 (30082788)
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Keywords | ダイヤモンド / エピタキシー / CVD / 薄膜 |
Research Abstract |
気相成長を利用して、比較的容易にダイヤモンドの合成が可能であることが確認されてから10数年の歳月が経過した。その間、いくつかの合成法が考案され、成長面積や成長速度さらに結晶性等の面に於いてはかなりの成功をおさめた。しかし、異種下地表面でのエピタキシアル成長の面に於いてはほとんど進歩が見られていない。 これまでエピタクシアル成長が確認されている下地としては立方晶窒化ほう素(c-BN)のみであり、そのほう素面での成長は幾つかのCVD法により容易であることが確かめられている。またその際の成長方法としては、高密度のプラズマを発生させてダイヤモンドの成長に必要な活性種密度の増大を計ることが重要である。そこで交付申請書に記載したマグネトロン型放電電極を作成し、ダイヤモンドの成長実験を行なうことによりこれまでより高品質ダイヤモンドの成長が可能となった。特にc-BN表面でのダイヤモンドの初期成長過程の詳細な観察が可能となり、非平衡状態におけるダイヤモンドのエピタキシアル成長に関して新しい幾つかの知見が得られた。(現在、論文作製中) そこで次の目的であるほう素系単結晶(BP,BAs等)を作製すること、またSi等の単結晶表面をほう素イオン又は原子で処理することを試み、これにダイヤモンドを成長させた。前者においては、水素-メタン系の放電に対して非常に不安定であり、特に表面がエッチングされる結果となった。後者では表面のほう素が放電中に発光し、蒸発してしまうという結果となった。 現在、ほう素原子と強固に結合し、水素放電雰囲気で安定に存在可能な下地材料を模索中である。
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