1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04805004
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Research Institution | OSAKA SANGYO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
杉村 明彦 大阪産業大学, 工学部, 助教授 (90145813)
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Keywords | 液晶 / 非線形光学 / 分子配向 / イオン伝導 / 生体機能性 |
Research Abstract |
本研究課題で得た成果を示す。 1.液晶の非線形現象としての異常過渡光電流の発生原因を、電圧印加に伴う液晶弾性歪(Freedericksz 転移)に基づく液晶の非線形光整流効果により明らかにした。さらに、液晶の異常過渡光電流は、生体系における外部刺激に対する閾値信号特性を有することを実験的に明らかにした。 2.バルク内での刺激伝搬特性を調べる基礎研究として、ポリイミド配向膜を有する液晶セルに対する4定数回路モデルを提案し、液晶層への実効的な電気的過渡応答を解析的に明らかにした。この解析結果に基づき、三角波の周波数変調方式による、新たな液晶光スイッチング動作が可能であることを実験的に確認した。 3.バルク内での液晶分子配向に対する界面の影響を調べるために、配向膜表面の摩擦電荷と液晶分子の相互作用についての理論的な解析を試み、ラピング処理により液晶分子は、外場が存在しない場合、平行配向性を示すことを明らかにした。さらに、表面アンカリング強度が液晶分子配向に与える効果を理論的に取り扱い、外場とアンカリング効果、および弾性歪との一般化トルクバランス方程式を初めて示した。 4.液晶バルク内でのイオン輸送機構について検討した。バルク内でのイオンのドリフト機構を、実験的・解析的に明らかにした。また、液晶の回転粘性係数を変位電流法で測定できることを実験的に明らかにした。 以上の研究成果は、本研究課題の主題である、液晶への刺激の伝搬現象を明らかにするとともに、その生体機能性を明確にするまでは至らなかった。しかし、液晶素子への外部刺激の非線形光学的な発生機構と、その刺激伝搬機構を調べるための基礎的な現象については明らかにできた。本研究課題は、その目的達成のために、さらに継続研究が必要である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 杉村,明彦: ":Anomalous photocurrent transients in nematic liquid crystals:The nonlinear optical Pockel's effect induced by the Freedericksz transition" Physical Review A. 45. 2439-2448 (1992)
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[Publications] 杉村,明彦: "Study on dc and ac Switching Beharior in Liquid Crystal Displays with Polymer Boundaries using a 4-Component Circuit" Japanese Journal of Applied Physics. 32. 116-128 (1993)
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[Publications] 内藤,裕義: "Transient charging current in nematic liquid crystals" Journal of Applied Physics. 73. 1119-1125 (1993)
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[Publications] 杉村,明彦: "Mechanism of nematic molecular alignment based on friction charges and surface topology by rubbing" Liquid Crystals. 14. 319-326 (1993)
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[Publications] 杉村,明彦: "Dynamic behavior of electric properties in a liquid crystal cell with polyimide boundaries" Liquid Crystals. 14. 539-544 (1993)
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[Publications] 杉村,明彦: "New controllable optical switching by the trequency modulation method in nematic liquid crystals" Journal of Applied Physics. 74. 1606-1609 (1993)