1992 Fiscal Year Annual Research Report
過重力下における高温壁面上での液滴の蒸発と熱伝達過程
Project/Area Number |
04805020
|
Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
新井 雅隆 群馬大学, 工学部, 助教授 (80112176)
|
Keywords | 過重力 / 液滴蒸発 |
Research Abstract |
平成4年度の研究はおおむね当初の予定どおりに行うことができた.本研究は過重力状態における液滴蒸発の熱流動機構を明らかにすることを目的としている.過重力状態を形成するためには,回転試験装置を用いて遠心力を利用する必要があるが,従って,装置内で液滴蒸発実験を行うために通常の実験の様な直接観察は不可能である.そこで,今年度は駆動軸にスリップリングを取り付け,それを介して試験装置外部から温度や液滴落下装置の遠隔制御,蒸発挙動のビデオカメラを用いた観察や温度計測を行えるようにした. 液滴蒸発実験で用いた液体は,精製水とノルマルデカンである.重力加速度は地球の重力加速度の12倍(G=12)まで変化させた.以下に得たる主な結果を示す. (1)加熱壁温度が最大蒸発率点より低温の状態における液滴の蒸発時間は重力加速度の増加に伴い減少する.この傾向は,水よりもノルマルデカンの方が顕著であった. (2)ライブンフロスト温度以上の領域で,重力加速度の増加に伴い液滴の蒸発時間が短くなる.これは水,ノルマルデカンともに観察された. (3)重力加速度の増加に伴い,最大蒸発率温度近傍の蒸発時間が極めて短い温度範囲が広くなる. これらの理由は,重力加速度の増加に伴い自然対流が促進されたり,液滴が壁面に押しつけられ熱伝達が向上したためと考えられる.以上の結果の一部は既に発表済みである.現在,さらに得られた研究結果の学会発表を準備中である.また,過重力場における火炎の挙動についても研究を行った.
|
-
[Publications] 新井 雅隆,天谷 賢児: "過重力場における液滴の壁面蒸発" 日本機械学会第70期全国大会講演論文集. 920-78E. 562-564 (1992)
-
[Publications] 新井 雅隆 天谷 賢児: "過重力場におけるろうそく火炎の挙動" 日本マイクログラビティ応用学会誌(JASMA). 9-4. 336-337 (1992)