1992 Fiscal Year Annual Research Report
弾性構造物の静的・動的解析のための解析解の境界離散化法の開発
Project/Area Number |
04805023
|
Research Institution | Shizuoka Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
浦田 喜彦 静岡理工科大学, 理工学部, 教授 (60024329)
|
Keywords | ヘルムホルツ方程式 / 板の面外,面内振動 / 異方性媒質 / プログラミング / 計算精度 |
Research Abstract |
本年度は方法の理論的基礎について重点的に研究を行った。まず,動的な問題については2次元,3次元のヘルムホルツ方程式系,平板の面外,面内振動,異方性板の振動,曲がり板の振動などに対して提案する方法が妥当であることを理論的に確かめた。このうち,2次元ヘルムオルツ方程式系では数値計算も行って凸形の任意形状領域の固有値問題の計算能率と精度が非常によいことを確認した。とくに精度は計算規模に比較するときわめてよく,在来のどの近似計算法よりも優れている。この結果は論文化した。また,板の曲げ振動についても数値的検討の途上にある。さらに同じ考え方で一般的な配管系と内部流体の連成振動も扱い,実験とよく一致する結果を得て論文化した。動的な問題の扱い方の骨子は平面問題であれば採用する解を変化する方向が異なる一次元的なものとし,これを内挿関数として領域全体を有限要素化するというものである。これに対して静的な場合には解の種類を変えなければならないが,基本的に同様の種類の計算が可能であることを確認した。具体的にはラプラス方程式系,重調和方程式系が対象であるが,異方性のある場合についてはむしろ静的な場合の方が困難で,解法は今後の課題となった。本研究の場合,個々の問題の数値的検討を重ね,プログラムを作成していく必要があるが,この面の展開をある程度行った後には,これらを結合して複合的問題の処理を行うことは容易になるので,説得力のある実例を提示できるように今後も検討を続ける所存である。
|