1992 Fiscal Year Annual Research Report
固体進行波モードおよび静磁波モードを用いた高い機能集積度を有するMMICの製作
Project/Area Number |
04805028
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
赤澤 正道 北海道大学, 工学部, 助手 (30212400)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斉藤 俊也 北海道大学, 量子界面エレクトロニクス研究センター, 講師 (70241396)
福井 孝志 北海道大学, 量子界面エレクトロニクス研究センター, 教授 (30240641)
長谷川 英機 北海道大学, 工学部, 教授 (60001781)
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Keywords | 固体進行波素子 / GaAs / ヘテロ界面 / 磁性薄膜 |
Research Abstract |
化合物半導体基板上に形成された遅波線路を伝搬する電磁波に半導体中のキャリアがおよぼす効果を調べ、その効果を用いた能動デバイスの進行波化について検討した。具体的には、グリーン関数法を用いたマルチコンダクタストリップ線路の電磁界解析を行ないプレーナ型遅波線路の設計、試作および評価を行なった。また、これをもとに、固体進行波素子の製作、評価をも行なった。 一方、固体進行波素子の動作層に用いる材料として、半導体超格子を検討し、その作製・評価を行なった。半導体超格子は、半導体ヘテロ界面の積層であるから、ヘテロ界面の物性についての知見を得ることは、超格子動作層の設計・作製において重要である。そこで、まず、ヘテロ界面についての研究を行ない、固体進行波素子の作製において重要な、電子の閉じこめについて、新たな知見を得た。進行波は動作層を流れるドリフト電子から、エネルギーを受け、成長するものであるから、高いキャリア濃度が必要である。申請者らが新たに検討した、表面近傍(〜20A^^O)に形成されたAlAs-si-GaAsヘテロ構造においては、10〜20A^^Oの領域に2×10^<13>cm^<-2>程度の非常に高濃度の電子を閉じこめることができることがわかった。また、ヘテロ界面における不純物原子の拡散を制御して、ドーパントのレベルにおいても急崚な界面を形成し、その物性を制御することを目的として、低温でのMEE法による半導体ヘテロ界面の形成の研究をも行った。特に、低温でSi原子層をGaAs系ヘテロ界面に挿入した構造を形成し、これまで報告されていない大きな擬似的バンド不連続量の変化(〜600meV)を観測しており、さらに高濃度の電子の閉じ込めができる可能性があることがわかった。今後、この新しい物性を、超格子動作層に応用することを検討し、磁性薄膜と組み合わせて高機能化されたMMICを試作する予定である。
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[Publications] M.Akazawa: "Reappraisal of Si-interlayer-induced change of band discontinuity at GaAs-AlAs hetero-interface taking account of delta-doping" Japanese Journal of Applied Physics. 31. L1012-L1014 (1992)
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[Publications] M.Akazawa: "Investigation of Valence Band Offset Modification at GaAs-AlAs and InGaAs-InAlAs Hetero-interfaces Induced by Si Interlayer" accepted for publication in Proc. of 19th Int. Symp. on Gallium Arsenide and Related Compounds. (1993)