1993 Fiscal Year Annual Research Report
腐植質土壌を用いた臭気の発生しない下水処理法の設計手法の開発
Project/Area Number |
04805052
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Research Institution | Kokushikan University |
Principal Investigator |
金成 秀夫 国士舘大学, 工学部, 教授 (10090581)
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Keywords | 下水道 / 臭気 / 脱室 / 脱りん |
Research Abstract |
本年度は、実験室規模の装置を用いた実験研究と実施設の運転管理日報をもとに処理状況の解析の両面から検討を加えた。実験室規模の研究では、下水の代わりに化学薬品を調合した人口下水を用いて、処理の効率等を明らかにする実験をした。しかし、汚泥の性状が実施設とは異なったものとなり、当初の目的が達成できなかった。 このため、腐植土壌を用いた下水処理をしている長野県山ノ内町の水質浄化センターの運転状況を解析することが本研究の主要な手法となった。 山ノ内町水質浄化センターでは、現在は流入量が1,200〜1,500m^3/日程度と少ないので、エアレーションタンクは1池(容量773m^3)、最終 沈殿池は2池(容量774m^3)使用している。この ため、エアレー ション時間は20時間前後と長い。最初沈殿池は暫定的に流量調整槽として使用しているので、最初沈殿池で沈殿した汚泥は全てエアレーションタンクに移送されている。BOD・SS負荷は、MLSSが3,000〜5,000mg/lと高いこともあり、0.1〜0.2kg・BOD/kg・SS・日前後である。 1年間の流入水の平均濃度は、BOD,SS,COD,T-NおよびT-Pでそれぞれ233,196,121,25.4および18.8mg/lであり、処理水水質はそれぞれ2.83,3.83,6.84,6.78および4.16mg/lである。特に、窒素とリンの除去を目的とした運転条件としていないのにかかわらず、窒素とリンの除去率が73%および78%と極めて高いのが特徴である。 浄化センターの各施設ごとに空気を採取し、臭気を測定した。その結果、他の下水処理場の臭気測定結果と比べると、いずれの臭気項目とも1/10以下の濃度である。
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