1993 Fiscal Year Annual Research Report
イオン交換と生物脱窒の組合せによる地下水中の硝酸塩の除去
Project/Area Number |
04805053
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
茂庭 竹生 東海大学, 工学部・土木工学科, 教授 (30056163)
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Keywords | 硝酸塩除去 / イオン交換 / 樹脂再生 / 脱窒 / 好気性脱窒 |
Research Abstract |
本研究は農業の施肥に起因する水道水源である地下水の硝酸塩汚染が年々深刻化する現状を鑑み、イオン交換樹脂と生物脱窒の組合せ処理で、安価にかつ効果的に硝酸塩除去を図ることを目的とした。生物脱窒は通性嫌気性菌を利用し、炭素基質存在下の嫌気性状態で硝酸を摂取させ窒素ガスに分解させるのであるが、浄水処理では嫌気性状態を作り出すのが困難なため、好気性条件下で脱窒を行わせる必要がある。実験は水道水に硝酸性窒素を10mg/l添加し、さらに炭素基質としてメチルアルコールを用い、その濃度は理論値より十分に高くしたものを原水とした。実験装置は有効径0.45mmの硅砂を50cmの厚さに詰めた直径10cmのアクリル製濾過筒を用い、上向流で水温20〜25℃で3週間程度循環馴致し、実験に供した。その後硝酸の除去能を確認し、イオン交換樹脂の再生を想定し、塩化ナトリュウムを原水に添加し脱窒能の変化を測定した。塩化ナトリュウムの添加濃度はClイオン濃度で1000〜10000mg/Lである。その結果、Clイオン濃度が6000mg/Lまでは全く脱窒能に変化はなく、Clイオンが高濃度で共存しても好気性脱窒に影響がないことが確認できた。しかし、Clイオン濃度を10000mg/Lまで高くすると、硅砂上に生育した微生物のため硅砂が団子状になり実験を継続すること困難となった。これは使用した濾材径が小さすぎたためと考えられ、粒径の大きな濾材にすれば解決できるものと考える。 実験の結果から、好気性条件下でも十分脱窒処理は期待でき、Clイオンが高濃度で共存しても影響がないことから、本処理技術は十分利用可能であると結論できる。
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