1993 Fiscal Year Annual Research Report
金属ドーピングによる正20面体とサッカーボールを持つボロン系新物質開発と電子物性
Project/Area Number |
04805067
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Research Institution | University of Tokyo |
Principal Investigator |
木村 薫 東京大学, 工学部, 助教授 (30169924)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井野 博満 東京大学, 工学部, 教授 (20029466)
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Keywords | ボロン / 準結晶 / カーボン60 / 分子軌道法 / ドーピング / 電気伝導率 / 磁化率 / フォトルミネッセンス |
Research Abstract |
1.分子軌道法による凝集エネルギーの計算により、ボロン系において、α菱面体晶型準結晶が安定に存在し得ることが分かった。この結果と結晶学データを用いて、準結晶組成をボロン-炭素系で炭素濃度が9at.%以下と予測した。この組成領域で、アモルファス相のアニールにより、正20面体準結晶の新しい近似結晶を発見した。これは、ボロン系における半導体準結晶の開発に一歩近づいたことを意味している。 2.石英管とタンタル管の2重管を用いることにより、β菱面体晶ボロンへのリチウムのドーピングに成功した。同じ手法を用いて、バンド計算により超伝導が予測されているα菱面体晶ボロンへのリチウムのドーピングを試みている。3.β菱面体晶ボロンの構造が、サッカーボール・クラスターを菱面体の頂点に持つことから、面心立方カーボン60の構造との類似性を明らかにした。β菱面体晶ボロンの場合は、リチウムおよび銅を数at.%までドープしても、電気伝導は半導体的であり、磁化率も反磁性に留まり、カーボン60の場合とは異なることを明らかにした。電気伝導率の温度依存性が可変領域ホッピング型であること、磁化率がほとんど変化しないことから、ドープされた電子は、ボロンの正20面体クラスターに起因する内因性アクセプター準位に入り、そこでバイポーラロンを作り、局存準位間をホップするというモデルを作った。4.β菱面体晶ボロンの光学吸収端スペクトルを測定し、内因性アクセプター準位および価電子帯から伝導帯への吸収が、分子軌道法による遷多確率の計算と一致して、禁制および許容となることを確認した。フォトルミネッセンス・スペクトルを初めて測定し、スペクトル位置や強度の温度依存性から、最も高エネルギーの電子トラップ準位から内因性アクセプター準位への発光であることを明らかにした。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] K.Kimura,Y.Takamura,H.Yamashita: "Preparation and Annealing Effects of Boron-rich Films:Search for Semiconducting Quasicrystal" AIP CONFERENCE PROCEEDINGS. 231. 528-531 (1991)
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[Publications] K.Kimura,T.Tada,A.Hori,A.Furukawa: "Optical Absorption Edge and Photo-luminescence Spectra in Amorphous and Crystalline Boron-rich Solids" Journal of Non-Crystalline Solids. 137&138. 919-922 (1991)
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[Publications] 木村 薫: "正20面体とサッカーボール・クラスターを持つアモルファス的ボロン系固体の構造と物性" 固体物理. 27. 900-907 (1992)
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[Publications] A.Hori,K.Kimura,T.Tada,H.Yamashita: "Optical Properties of Quasicrystalline Approximant Boron-rich Solids" Journal of Non-Crystalline Solids. 153&154. 308-311 (1993)
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[Publications] K.Kimura,A.Hori,M.Takeda,H.Yamashita,H.Ino: "Possibility of Semiconducting Quasicrysta'l in Boron-rich Solids" Journal of Non-Crystalline Solids. 153&154. 398-402 (1993)
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[Publications] K.Kimura: "Structure and Properties of Boron-rich Solids Constructed of Icosahedral and Soccer-ball Clusters" Materials Science and Engineering B. 19. 67-71 (1993)
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[Publications] M.Takeda,A.Hori,H.Yamashita,K.Kimura: "Possibility of Semiconducting Quasicrystal in Boron-rich Solids-Cohesive Energy Calculation and Transformation from Amorphous Phase-" MATERIALS TRANSACTIONS,JIM. 34. 128-134 (1993)
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[Publications] M.Takeda,K.Kimura,A.Hori,H.Yamashita,H.Ino: "Approximant Phase of an Icosahedral Quasicrystal in a Boron-Carbon Semiconducting System" Physical Review B. 48. 13159-13161 (1993)