1992 Fiscal Year Annual Research Report
無機イオン交換膜を活用した新しい水殺菌用イオン交換膜電気透析系の開発
Project/Area Number |
04805100
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Research Institution | Showa Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
佐藤 利夫 昭和薬科大学, 薬学部, 講師 (40170766)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 喬 山梨大学, 工学部, 教授 (60020385)
神崎 やすし 昭和薬科大学, 薬学部, 助教授 (90082817)
田中 龍夫 昭和薬科大学, 薬学部, 教授 (60077518)
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Keywords | 無機イオン交換膜 / 電気透析 / 殺菌 / 水解現象 / 限界電流密度 / ゾル-ゲル法 / アンチモン酸 / ハイドロタルサイト |
Research Abstract |
1.ゾル-ゲル法による無機陽イオン交換膜および無機陰イオン交換膜の試作 金属アルコキシド溶液とアンチモン酸ゾルの混合溶液をゾル-ゲル法により多孔質アルミナ支持体にデイップコーティングする方法で、陽イオン交換特性を持つ無機膜の試作に成功した。デイップコーティング溶液の組成は金属アルコキシド溶液[Si(OC_2H_5)_4:H_2O:C_2H_5OH:HCl=1:11:6.8:0.068(モル比)]に同様量2%アンチモン酸ゾル(モル比として0.06)を混合したものである。電子顕微鏡により観察した結果、1回の塗布により形成されるコーティング層の厚さは0.5〜0.9μmであり、塗布を30回行ってもほぼ均一のコーティング層が形成されており、焼結の繰返しによるコーティング層の収縮等は見られなかった。無機陰イオン交換膜についてはハイドロタルサイトを用いて試作を繰返しているが、亀裂が入るなどまだ成功と言える段階には至っていない。 2.試作した無機陽イオン交換膜の電気透析特性 塗布回数が増すに従いイオン交換容量、膜抵抗は増加した。輸率は10回塗布までは増加したがそれ以上ではほぼ一定値を示した。また限界電流密度は低下する傾向を示した。10回塗布膜の特性を市販の有機陽イオン交換膜(セレミオンCMV)と比較すると、イオン交換容量0.0061meq・cm^<-1>(27.7%)、膜抵抗186.2Ω・cm^2(68.9倍)、限界電流密度0.96・dm^<-2>(0.3倍)、Na^+輸率:0.70(70.7%)であり、イオン交換膜としてはさらに改良の余地があるが、限界電流密度が低いことは本研究の目的である膜面の水解現象を利用した殺菌法に有効である。なお、10回塗布膜を沸騰水、80℃の6Mー硝酸および塩酸、常温の2M-NaOH、50%-アセトン水溶液およびエタノール水溶液中に24時間放置しても、イオン交換容量などの膜特性にほとんど変化はなかった。
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