1993 Fiscal Year Annual Research Report
エチレン作用の抑制剤としてのアリルイソチオシアネートの作用機構の解明とその応用
Project/Area Number |
04806004
|
Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
内田 好則 宮崎大学, 農学部, 助教授 (70203544)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下川 敬之 宮崎大学, 農学部, 教授 (80027185)
|
Keywords | アリルイソチオシアアネート / エチレン / 品質保持技術 / トマト / オジギソウ |
Research Abstract |
トマトの幼植物体と果実を材料として、エチレンおよびアリルイソチオシアネート(AITC)を処理することにより、果実着色の進行抑制、トマト子葉に対する上偏生長作用への阻害について検討した。また、作用機構の解明のためオジギソウの振動傾性に及ぼすAITCの影響についても検討した。 1.トマト幼植物体はエチレンにより上偏生長作用を起こすが、AITCはほぼ5分の処理で阻害するこを明らかにし、mRNAレベルでの作用発現が想像された。また、エンザイムカイネディックを行うとAITCは不(反)拮抗阻害作用の傾向を示した。 2.トマト果実はAITCの処理により、果皮色の着色抑制がみられ、この傾向は着色程度の低い果実ほど顕著であった。AITCの濃度としては1mul/lから効果がみられ、5mul/lではさらに明かとなった。また、処理時間は50分以上が効果は高かった。AITCにより成熟の指標である硬度の軟化も抑制され、着色程度の低い果実で効果は高い傾向であった。また、実用化に向けての多量処理を検討したが、密閉性、ガスの攪はん、処理濃度、処理時間を守る必要があった。 3.オジギソウはAITC処理により振動傾性が抑制された。この作用は麻酔症状様に働き、処理の濃度、処理時間で異なり、その後回復してくる。まだ不明の点もあるが、その作用としてAITCは気孔から入り、液胞に働きかけて振動傾性を抑制ないしは阻害する。このことはK^+と水を細胞外に浸出させ、そのまま麻酔がかかったような状態になるものと考えられる。
|
Research Products
(1 results)