1994 Fiscal Year Annual Research Report
エチレン作用の抑制剤としてのアリルイソチオシアネートの作用機構の解明とその応用
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04806004
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Research Institution | Miyazaki University |
Principal Investigator |
内田 好則 宮崎大学, 農学部, 助教授 (70203544)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下川 敬之 宮崎大学, 農学部, 教授 (80027185)
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Keywords | アリルイソチオシアネート / エチレン / 品質保持技術 / スイ-トピー / 退色抑制 |
Research Abstract |
花きの鮮度保持を含む品質保持対策として、エチレン作用抑制剤であり、抗菌、防かび作用もあるアリルイソチオシアネート(AITC)の影響について検討した。使用した花きはエチレンの関与が少ないキクとエチレンの関与が大きいスイ-トピーであり、イソチオシアネート類、AITCの処理濃度、処理時間、品種、並びにAITCの水溶液処理について検討した。 1.電照抑制栽培された12月収穫の秋キクの切り花を使用して、AITCの気体および水溶液処理の影響を検討した結果、AITCを気体として使用した処理区で一部吸水量の増加がみられたが、開花抑制、品質保持効果は観察されなかった。また、AITCの水溶液処理区では一部に薬害も生じ、品質保持効果はみられなかった。 2.スイ-トピーの花に対するAITCの処理では鮮度保持効果はみられなかったが、花色の退色抑制効果が観察された。退色抑制の効果がみられたAITCの処理濃度および処理時間としては1μl/lの濃度の場合1時間、3μl/lの濃度の場合40分処理が適当と考えられる。ただ、AITCの単独処理では花色の退色抑制効果はあるが、鮮度保持効果がないことから、現時点での対策としてはAITCとSTSとの併用処理が有効である。 3.イソチオシアネート類の各処理区では STS以上の鮮度保持効果があるものは観察されず、イソチオシアネート類の中では花色の退色抑制がAITCとEITC処理で効果が高かった。供試した品種では‘ダイアナ'ではこれまで通り効果がみられたが、その他の供試した品種では明かでなかった。AITCの水溶液処理では気体処理で効果がみられたスイ-トピーの花の退色抑制が観察できなかった。このことはAITCの作用機作を考える上で興味ある現象であり、今後、研究を続ける予定である。
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