1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04806017
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
坂井 拓夫 大阪府立大学, 農学部, 教授 (50081500)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸田 正夫 大阪府立大学, 農学部, 助手 (90211193)
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Keywords | 酵母 / ミトコンドリア / 遺伝子 |
Research Abstract |
平成4年度には、ミトコンドリア(Mit)およびミトコンドリア-DNA(Mit-DNA)を効率よく調製し、それらを安定に保存する方法を検討した。Mitの調製については、(1)酵母細胞をガラスビーズで破砕する方法と(2)プロトプラストを破砕する方法について検討した。その結果、(2)の方法によって効率よくミトコンドリアを調製することが可能で、この方法によって調製したミトコンドリアを呼吸能の欠失した酵母細胞に導入し、呼吸能を回復させられることを明らかにした。 ついで、Mit-DNAの調製法を検討した。すなわち(1)Mitを分離し、それよりMit-DNAを調製する方法、(2)酵母細胞より直接分離する方法、および(3)酵母細胞よりDNAを調製し、塩化セシウムの平衡密度勾配遠心分離によりMit-DNAを分離する方法について検討した。その結果、(3)の方法が最も大量のMit-DNAの調製に適していることを見いだした。この方法では、先ず酵母細胞を溶菌酵素でプロトプラストとし、これを破砕し、遠心分離で不溶物を除去した上澄にイソプロパノールを加えてミトコンドリアを沈澱として集める。これからDNAを抽出し1.16g/mlのCsCI溶液中で100、000gで遠心分離を行う。この操作によって、Mit-DNAは染色体DNAやRNAと完全に分離して回収出来、新しいMit-DNA調製法が確立出来た。また、この方法を用いて6株のS.cerevisiaeからMit-DNAを調製し、制限酵素による分析を行い、菌株によりMit-DNAの構造に差異があることが明らかになった。
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