1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04806021
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
岡田 滋 鳥取大学, 農学部, 助教授 (40233332)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 福壽 鳥取大学, 農学部, 助教授 (60112322)
橋詰 隼人 鳥取大学, 農学部, 教授 (60032075)
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Keywords | コナラ属 / アイソザイム / POD / Est / 葉毛形 / 電子顕微鏡 / 雑種 |
Research Abstract |
1.コナラ属ミズナラ、コナラ、カシワ、クヌギ、アベマキ、ナラガシワのアイソガイム分析を行ってこれら種の指標となるアイソガイムバンドを明らかにすること目的とした。これらの種の合計46個体から葉を採集し、1部を電気泳動用に、他をデジタイガーによる形質測定用とした。アイソガイムはグルタミン酸脱水素酵素(GDH)、パーオキシダーゼ(POD)、アスパラギン酸アミノ転移酵素(GOT)、非特異性エステラーゼ(Est)、酸性フオスターゼ(ACP)の5種類で、POD、Estは安定したバンドを示し、GDH、GOT、Acpは不安定であった。形質測定においてミズナラとカシワの中間型と思われる個体のEstバンドを解析した結果、両者のバンドを持合せており、中間種を判定する上での手法を得ることができた。 2.ナラ類の混交する天然林3林分にプロットを設定し総計203本の個体から葉を採集し、デジタイザーを用いて計態調査を行った。またそれらの1部を走査型電子顕微鏡(SEM)で葉毛形の観察を行った。観察結果から葉毛形をミズナラ型、コナラ型、カシワ型、ミズコナラ型、カシワモドキ型、コガシワ型の6種類に大別した。ミズコナラ型はミズナラとコナラ、カシワモドキはミズナラとカシワ、コガシワはコナラとカシワの雑種といわれているが、3プロットとも全体の20-30%が雑種性の個体であることが明らかとなった。そのなかでもカシワはミズナラ、コナラと雑種を作りやすく、1方コナラとミズナラは雑種性個体の頻度が前者にくらべて低い結果となった。次にデジタイザーの計測による度数分布からミズコナラ型は鋸歯角と葉柄率で、カシワモドキ型は葉端角、形状比、鋸歯率で、コガシワ型は葉柄率、形状比、葉柄率で中間型を示した。以上のことから雑種性の研究には葉の形態のほか、SEMによる葉毛形の観察が重要であることが認められた。
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