森林の環境教育的利用と環境林整備に関する基礎的調査研究

1992 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 04806022
• Research Institution: Tokyo University of Agriculture
• Principal Investigator: 宮林 茂幸 東京農業大学, 農学部, 助教授 (90120138)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 菅原 泉 東京農業大学, 農学部, 助手 (50187639)
• Keywords: 環境林 / 環境教育 / 森林学習 / 森林ボランティア / 森林管理 / 交流 / 自然環境教育 / レクリェーション林

Research Abstract

1)平成4年度は、森林を利用して現在進められている多様な環境教育的活動(自然観察会、野外教育活動、森林ボランティア、キャンプなど)などについて、どのような活動形態があるかを把握するため、県民の森や青少年自然の家などのデータを蒐集した。その結果、(1)学校教育活動の一環として進められている活動、(2)市町村など行政レベルで進められている活動、(3)民間によって進められている活動、(4)個人または小グループによる活動などに類型化されることが明らかになった。
2)上記の結果をふまえ環境教育活動の実態と現状を把握するために、(1)北海道の道東地域と静岡県天竜地域における実態調査を行った。(2)また、具体的な対象地として、山梨県健康の森、栃木県矢板県民の森、茨城県県民の森、千葉県内浦山県民の森などについて、利用動向や活動形態あるいは森林の利用と森林管理などについて実態調査を行い資料を蒐集した。
3)このような中で、現在の環境教育的な活動は、その目的や対象者などが極めて多種多様であり、具体的には、家族によるレジャー的な行動、市町村などによる社会教育や交流事業など、いわゆるカルチャー的な活動、あるいは環境教育を前面に出した営利目的の形態など、指導者や活動主体によってそれぞれ特徴的であることが明らかになった。現在これらの指導者や主体に対してさらにアンケート調査中である。
4)また、多様や活動に適した森林や自然の確保が難しいことが明らかになった。例えば、子供クラブや青年会などで活動(目的によって多様)する場合に、森林の状態や可能な活動種類などに関する情報が不足していることから難しく、現地での指導者の必要性も課題となっていることが明らかになった。今後は、環境教育の基礎理念をさらに追求するとともに、森林の整備や情報のあり方などについても調査分析する。