1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04806034
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
加藤 誠 東京農工大学, 農学部, 助手 (50015096)
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Keywords | 泥炭地盤 / 掘削 / 膨張量 / レオロジーモデル / 模型実験 / 間隙水圧 / 層別沈下計 / 双曲線近似 |
Research Abstract |
泥炭土地盤の圧密度の定義は、今回の研究では、排水量の経時変化より求めた。それは、間隙水圧の変化を捕らえることにより圧密度を定義することは、原理的には可能であるが間隙水圧計の接続パイプの中の脱気水から遊離したガス、および泥炭土から発生したガスが多く、常に測定用のパイプ内の水から脱気していなければ正確な間隙水圧が測定できないことが分かった。泥炭土からはガスの発生があること当初から予測された。今年度の研究に使用した泥炭土は新潟県亀田郷産である。模型地盤の研究に対し、間隙水圧の測定に障害となる程度までガスが発生することは、稀な現象であると思われるが今回の新潟県亀田郷産の有機質土には、この現象が発生したものと思われる。現在の地盤工学においては、土が土粒子と水の二層系の材料として取り扱うことが多いが、ガスを取り入れた三層系の力学的取り扱いは困難な問題である。そして、掘削による除荷重による膨張量〜時間曲線は双曲線近似が出来ることが分かった。双曲線近似法による時間の無限大の膨張量を膨張度100%とし、膨張時間の関数として、膨張量を予測することが可能であることを示した。それは、レオロジーモデルで表すことも出来ることを示した。すなわち、初期弾性膨張量を表すスプリングと遅延弾性膨張量表す二個のフォークトモデルを直列に繋いだ変形モデルで表すことができる。このような二個のフォークトモデルのうち、先行圧密荷重の前後で膨張の割合が異なる。それは、泥炭土を構成する植物繊維の細胞などからできるミクロポアーや植物の茎や葉などからできるマクロポアーの吸水膨張量の比が異なると思われる。このようにレオロジーモデルを使用して、泥炭土の圧縮・膨張は定性的に、容易に説明することは可能であるが、物性的に明らかにされないので究極的には想像の域を越えることが困難である。
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