1992 Fiscal Year Annual Research Report
ニホンウズラのリンパ球機能およびMHC多型に関する研究
Project/Area Number |
04806040
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
渡邉 誠喜 東京農業大学, 農学部, 教授 (20078108)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
向山 明孝 東京農業大学, 大学院, 非常勤講師
半澤 恵 東京農業大学, 農学部, 講師 (00181032)
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Keywords | ニホンウズラ / 血清IgG値 / T細胞 / B細胞 / ロゼット形成細胞 / ロゼット非形成細胞 / モノクローナル抗体 / MHC |
Research Abstract |
1.研究代表者の渡邉らが見い出した、血清lgG値の遺伝的変異に基づくニホンウズラの2系統、即ち高lgG系統(A系統)および低lgG系統(B系統)の血清中のlgG濃度を抗lgG家兎血清を用いた単円免疫拡散(SRID)法により測定し、A系統とB系統とを確認し、現在両系統を維持している。 2.末梢血リンパ球を密度勾配遠心法により分離し、メンヨウ、ウサギおよびニワトリ赤血球とのロゼット形成反応、細胞膜表面lgG(slgG)の検索および電子顕微鏡による形態観察、更に、これら末梢血リンパ球とファブリシウス嚢由来(B)細胞および胸腺由来(T)細胞との抗原性を比較したところ以下の成績を得た。 (1)末梢血リンパ球は、比重差および形態により3型に大別されるが、その中で、比重が最も軽い細胞(I型)は、ウサギ赤血球とのみロゼットを形成し、slgGを有さず、形態および抗原性からT細胞と判断された。 (2)中間の比重を示した細胞(II型)は、メンヨウ赤血球免疫後にのみその赤血球とロゼットを形成し、slgGを有し、形態および抗原性からB細胞であることが示唆された。 (3)最も比重の重い細胞(III型)は、ニワトリ赤血球とのみロゼットを形成し、slgGを欠き、I型細胞とはサブクラスの異なるT細胞とも考えられた。 3.末梢血リンパ球のうちウサギ赤血球に対するロゼット形成細胞(RaRFC)および非形成細胞(NRaRFC)、並びにTおよびB細胞をそれぞれ家兎に免疫し、得られた抗血清を相互吸着し抗原性を比較した。 (1)抗RaRFCはT細胞と、抗NRaRFCはB細胞と最も強く反応した。 (2)抗TはT細胞とのみ、抗BはB細胞およびlgGとのみ反応した。 4.TおよびB細胞に対するモノクローナル抗体の一部は、赤血球、T,Bリンパ球の何れにも反応した。また、ニワトリのMHC class I 抗体およびcDNAプローブ(譲渡)とニホンウズラの試料とが交差反応を示すことが明らかにされた。
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