1992 Fiscal Year Annual Research Report
脾臓の抗体産生の微小環境-免疫組織学による形態学サイドからの解析
Project/Area Number |
04807002
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
松野 健二郎 熊本大学, 医学部, 講師 (20094047)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江崎 太一 熊本大学, 医学部, 助手 (10128259)
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Keywords | 免疫組織学 / 多重免疫染色 / 脾臓 / 抗体産生細胞 / マクロファージ / 細胞間相互作用 / 微小環境 |
Research Abstract |
1.ラット白脾髄の動脈周囲リンパ球鞘の周辺領域(outerPALS)には、モノクローナル抗体でED2陽性(ED2Mφ)とED3陽性(ED3Mφ)の2種類のマクロファージがある。免疫染色した2種類のパラメーターを可視+蛍光観察することにより、ED2Mφが、outerPALSでは抗体産生細胞と、また造血巣では赤芽球と、ロゼットを形成していることを証明した(細胞24:110,1992)。このことは、ED2Mφが液性免疫応答のみならず、赤芽球造血にも関係しており、免疫・造血系の細胞群を支える乳母細胞である事を示唆する。 2.ラット免疫グロブリンサブクラス(IgM,D,A,G1,G2a,G2b,G2c,E)に対するモノクローナル抗体を用いて抗FITC抗体産生細胞を2重免疫染色すると、FITC標識フィコール抗原に対する抗体産生細胞は主にIgMを作っていることがわかった。フィコールは胸腺非依存性抗原であり、抗体産生細胞のIgMからIgGへの切り換えがおこらないと考えられているが、これをin situレベルで証明したことになる。さらにこれと比較するためにIgG産生を引き起こす抗原(胸腺依存性抗原)であるFITC標識ヘモシアニンを作成し、抗原至適濃度を決定した。現在、上記と同じ2重免疫染色を始めたところである。 3.本研究は萌芽的研究として、免疫組織学と言う学問領域の開発を提唱している。その1つの実例としてマクロファージの増加を主体とするラット実験膵炎のモデルを作成し(Gastroenterology,1993 in press)、2重免疫染色によりマクロファージ亜群の盛んな増殖を証明した(Arch.Histol.Cytol.,1993 in press)。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 松野 健二郎: "脾臓の液性免疫応答の場" 細胞. 24. 110-115 (1992)
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[Publications] Yasuo Yamaguchi: "In Situ Kinetics of Acinar,Duct and Inflammatory Cells in Duct Ligation Pacreatitis in Rats" GASTRO ENTEROLOGY. (1993)
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[Publications] Mataro GOTO: "Proliferation Kinetics of Macrophage Subpopulations in a Rat Experimental Pancreatitis Model" ARCH.HISTOL.CYTOL.56. 1-8 (1993)