不死化遺伝子の導入による神経細胞株の樹立,その表面分化抗原と分化・増殖因子の研究

1992 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 04807017
• Research Institution: Sapporo Medical University
• Principal Investigator: 佐々木 洋子 札幌医科大学, 附属癌研究所, 講師 (60045424)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 佐々木 輝捷 札幌医科大学, 附属癌研究所, 教授 (00045494) ; 山下 由美 札幌医科大学, 附属癌研究所, 技師 ; 石埜 正穂 札幌医科大学, 附属癌研究所, 助手 (30232325)
• Keywords: 組み換えレトロウィルス / 神経細胞株 / タンパク質チロシンキナーゼ / ポリメラーゼ連鎖反応

Research Abstract

1.不死化癌・形質転換遺伝子を細胞に移入するための組み換えレトロウイルスの構築。SV40 large T antigen tsA58変異を、部位特異的変異により調製し、これをpDGLベクターに組み込み、組換えレトロウイルスを作成した。パッケージング細胞としては、Psi-CRIPおよびPsi-CREを使用した。この組み換えレトロウイルスを用いて、新生ラット小脳および胎生ラット脳の初代培養細胞を不死化し、クローン化細胞を得ることを試みている。
2.ATCCから入手したPsi2-12S6細胞を用いて12S adenoviral EIA遺伝子をpDOL‐ベクターに挿入したレトロウイルスを調製した。このウイルスを新生ラット小脳の初代培養細胞に感染し、感染5日後からGeneticin(G418)耐性細胞を選択した。現在、限界希釈法による細胞のクローン化を試みている。
3.脳で発現しているZAP-70/Sykファミリー・非受容体型タンパク質チロシンキナーゼ(PTK)の検索。ZAP-70およびSykは、リンパ球の多鎖抗原受容体に会合し、シグナル伝達に関与する非受容体型タンパク質チロシンキナーゼである。神経系で機能する多鎖受容体を検索する目的でZAP-70/Sykファミリー・非受容体型PTKをポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いてラット脳に検索した。Srcファミリーに属するPTKは増幅されないように作られたプライマーを用いたPCRにより、幾つかの興味のあるPKTのキナーゼ領域に対するcDNAが得られた。

Research Products

• [Publications] Yamashita,Y.,Ishino,M.,Sasaki,H.and Sasaki,T.: "Tyrosine phosphorylation of synthetic peptides with sequences found in CD3- and Ig- chains by nonreceptor protein tyrosine kinases,p59 fyn and p56 lck,expressed with the baculovirus system in insect cells" Tumor Research. 27. (1993)
• [Publications] 佐々木 輝捷: "リンパ球の抗原特異的受容体を介するシグナル変換-タンパク質チロシンキナーゼによるホスホリパーゼCの活性化-" 北海道医学雑誌. 67. 441-445 (1992)
• [Publications] 佐々木 輝捷,佐々木 洋子(分担執筆): "カルシウムの細胞内機能小島至編集" 中外医学社, 150