1992 Fiscal Year Annual Research Report
各種臓器におけるフラクタル次元の病理組織診断への応用
Project/Area Number |
04807024
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
清水 英男 自治医科大学, 医学部, 講師 (80129030)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
望月 眞 自治医科大学, 医学部, 助手 (60200333)
篠原 直宏 自治医科大学, 医学部, 講師 (50192109)
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Keywords | 肝 / 肝細胞癌 / 類洞 / 立体構造 / 定量化 / フラクタル次元 |
Research Abstract |
本研究にたいしての科学研究費の援助により、立体構造物のフラクタル次元計算プログラムを、ライズ社に特別注文し作成した。そのプログラムを用いて、ヒト正常肝5例と肝細胞癌5例について検索を行った。 その結果、 1.正常肝と肝細胞癌の類洞の立体構造は、ともにフラクタルであることがわかった。すなわち、類洞の複雑な立体構造を、フラクタル次元という指標により定量化し、比較することが可能となった。 2.それぞれの症例におれるフラクタル次元は、正常肝では、2.22、2.16、2.17、2.20、2.17(平均2.18±0.03)、肝細胞癌では、2.24、2.31、2.12、2.17、2.20(平均2.20±0.07)になった。 3.求めた類洞のフラクタル次元について、t検定を行ったところ、正常肝と肝細胞癌の平均値の間には有意な差はなかった。しかし、両対数グラフにプロットされた点に、最小二乗法を用いて求めたフラクタル次元に関して、t検定を適用することの適否については、物理学者の間でも異論のあるところである。 4.同時に行っている研究(トポロジーを用いた類洞の立体構造の定量化)では、正常肝と肝細胞癌との間に有意な差がみられいてる。 5.以上の成果は、学術図書『医学・生物学におけるフラクタル』(松下貢編著,朝倉書店,1992)のp.112-127(清水英男:正常肝臓と肝細胞癌の類洞(微小血管網)の立体構造-フラクタル次元と1次元ベッチ数による比較)に発表した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 清水 英男: "肝硬変の類洞(微小血管網)の立体構造" 形の科学会報. 7. 64-67 (1992)
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[Publications] 松下 貢 編著: "医学・生物学におけるフラクタル(清水英男:正常肝臓と肝細胞癌の類洞(微小血管網)の立体構造-フラクタル次元と1次元バッチ数による比較.p.112〜127.)" 朝倉書店, 224 (1992)