1993 Fiscal Year Annual Research Report
慢性疲労症候群患者にみられるリムルス陽性化物質と病因・病態との関連についての研究
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04807043
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
倉恒 弘彦 大阪大学, 医学部, 助手 (50195533)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木谷 照夫 大阪大学, 医学部, 教授 (80028406)
田川 進一 大阪大学, 医学部, 助手 (70171569)
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Keywords | 慢性疲労症候群 / カルニチン / アシルカルニチン / リムルス反応 |
Research Abstract |
我々は、多くのCFS患者では筋肉の明かな異常がないにもかかわらず、脱力、筋肉痛等の筋症状を伴っていることに着目し、筋におけるエネルギー代謝にとって欠かすことのできないカルニチンの測定を行なったところ、CFS患者では正常人と比較して脂肪酸と結合したアシルカルニチンが血清中において明らかに減少している事を世界で初めて見い出した(Clin Infect Dis,1994)。CFS患者における血清中アシルカルニチンの減少は、フリーカルニチンの濃度は正常であり、従来報告されてきた2次性のカルニチン減少症とは全く異なる病態である。CFS患者におけるアシルカルニチンは、病状が回復するにともなって増加が認められており、アシルカルニチンの減少という特異な現象は、CFSの病因・病態を解明する上で極めて重要な手がかりであると思われる。現在、CFS症例におけるアシルカルニチン減少の機序の解明とともに、この生理学的意義を明らかにするため、カルニチン及びアシルカルニチンの代謝ならびに生体内動態の検討を行っている。 次に、我々は慢性疲労症候群の多くの症例ではリムルス反応が陽性になるという新たな知見も見い出している。リムルス反応を陽性化させるカスケードは2つあり、1つはエンドトキシンなどのC因子活性化物質で、他の1つはβグルカンなどのG因子活性化物質である。CFS症例に見られるリムルス反応陽性化は、G因子を含まないエンドスペシー検査の陽性率が低いことより、エンドトキシンではなくG因子活性化物質によると思われる。そこで、CFS患者血漿をカラムクロマイトグラフィーなどにより分画し、活性化物質の性状を明らかにすべく試みているが、現在のところその単離・精製に至っていない。従来我々が採用していた阻害物質除去法(PCA法)では、蛋白結合型の活性化物質自体を除外してしまう可能性が考えられ、現在阻害物質の除去法として希釈加熱法を採用し、また感度・精度を上げるためゲル化転倒法を比濁時間分析法に改良して各フラクションごとの活性化物質について検討を行っている。
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Research Products
(15 results)
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[Publications] 木谷照夫: "慢性疲労症候群" Medico. 24. 30-31 (1993)
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[Publications] 倉恒弘彦,木谷照夫 他: "慢性疲労症候群におけるアシルカルニチンの減少" 臨床のあゆみ. 5. 40 (1993)
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[Publications] 木谷照夫: "慢性疲労症候の客観的診断にむけての模索 患者の血清アシルカルニチンに着目" Psysicians'Journal. 2. 32-34 (1993)
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[Publications] 木谷照夫: "慢性疲労症候群(CFS)CFSの概念" 臨床科学. 29. 663-668 (1993)
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[Publications] 倉恒弘彦 他: "慢性疲労症候群(CFS)CFSの病因・病態・検査" 臨床科学. 29. 682-688 (1993)
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[Publications] 木谷照夫: "慢性疲労症候群とは." よぼういがく. 23. 3-27 (1993)
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[Publications] 木谷照夫 他: "慢性疲労症候群" 治療. 76. 25-31 (1994)
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[Publications] Kuratsune H,Kitani T et al: "Acylcarnitine deficiency in chronic fatigue syndrome" Clin Infect Dis. 18. S62-S67 (1994)
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[Publications] Kuratsune H,Kitani T et al: "Abnomal cellular carnitine metabolism in chronic fatigue syndrome" EOS journal.
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[Publications] 橋本信也,木谷照夫 他: "CFS:Chronic Fatigue Syndrome 慢性疲労症候群とは何か." 医学界新聞. 2026. 1-6 (1993)
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[Publications] 木谷照夫: "慢性疲労症候群はここまで解明された." 健康な子ども. 254. 32-34 (1993)
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[Publications] 倉恒弘彦,木谷照夫 他: "Post-viral fatigue syndrome" 臨牀と研究. 70. 2459-2465 (1993)
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[Publications] 木谷照夫: "慢性疲労症候群" 日本内科学会雑誌. 82. 267-272 (1993)
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[Publications] 倉恒弘彦,木谷照夫 他: "慢性疲労症候群" 血液・腫瘍科. 27. 371-381 (1993)
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[Publications] 木谷照夫: "慢性疲労症候群(CFS)の問題点と最近の話題。" 医療. 10. 72-75 (1994)