1992 Fiscal Year Annual Research Report
ラット腎チロシンホスファターゼのcDNAクローニング-腎炎発症・進展機能解明への応用
Project/Area Number |
04807044
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
申 性孝 大阪大学, 医学部, 助手 (70240843)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今井 圓裕 大阪大学, 医学部, 助手 (00223305)
藤原 芳廣 大阪大学, 医学部, 助手 (60135473)
上田 尚彦 大阪大学, 医学部, 講師 (70115997)
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Keywords | チロシンホスファターゼ / 蛋白質チロシニリン酸化 / 糸球体腎炎 / 培養メサンギウム細胞 / CDNAクローニング / 遺伝子発現 / 組換えタンパク質 |
Research Abstract |
チロシンホスファターゼ間でよく保存された触媒ドメインの2ヶ所のアミノ酸配列に対応する推定オリゴヌクレオチドを作成し、これをプライマーとして用い、PCRを行なった。PCRの基質DNAとして、ラット腎RNAに逆転写酵素を反応させて得た一本鎖cDNAを用いた。得られたPCR産物をサブクローニングし、ジデオキシ法にて塩基配列を決定したところ、4種類のチロシンホスファターゼ部分cDNAが得られた。データベース検索により、うち2種類はマウスLRP、ヒトLARという既知のチロシンホスファターゼと95%以上の相同性を示したため、ラットのLRP、LARであると考えられた。他の2種類は、既知のチロシンホスファターゼ分子との相同性は低く 新種のチロシンホスファターゼと推定された(pP34-11,pP34-35)。4種のcDNAをプローベとしてラット各臓器より得たRNAに対しノーザンブロットを行なったところ、LRP、LAR P34-11は、腎に高発現がみられ、他に肝、心、肺、脾、脳にも発現がみられた。P34-35は脳にのみ発現していた。また、腎炎との関連を探る目的で、糸球体病変の主座であるメサンギウム細胞に着目し培養メサンギウムにおける遺伝子発現を検討したところ、発現のみられたものは LRPとP34-11の2種であった。これら2種類のチロシンホスファターゼの腎メサンギウム細胞における機能、役割を追求する目的で、全長cDNAのクローニングを行なった。それぞれPCR産物をプローべとし、ラット腎cDNAライブラリーをスクリーニングし、LRPは約3kbの全長cDNAを得、解析、報告した。新推チロシンホスファターゼに関しては、約2kbの全翻訳領域を含むcDNAを単純、解析を行ない、また大腸菌に発現させた組〓タンパク質を用いて本分子がチロシンホスファターゼ活性を有することを明らかにした。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Moriyama,T.et al.: "cDNA cloning of rat LRP,a receptor like protein tyrosine phosphatase and evidence for its gene regulation in cultured rat mesangial cells" Biochem.Biophys.Res.Commun.188. 34-39 (1992)