1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04807048
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
小原 剛 旭川医科大学, 医学部, 助手 (60194627)
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Keywords | 膵癌 / 癌遺伝子 / 化学療法 |
Research Abstract |
ヒト膵癌細胞ではras癌遺伝子産物であるp21-rasの活性化が高率に認められている。p21-rasはそのC末端がfarnesy1化される事により細胞膜でその機能を発揮する。したがって,farnesyl transferase inhibitor(FTI)である。 Gliotoxin(GT)でP21-ras活性化機構を抑制し,癌細胞の増殖が抑制される事を明らかにすべくin vito実験を行った。 腫瘍細胞はH-ras transformed・fibroblastを用い,FTIであるGliotoxin(GT)を使用した。Western blottingではGTは濃度依存性にp21^<ras>のfarnesyl化を抑えた。 MTTassayでは50%cytotoxicityを得るGT濃度は0.3μg/mlであった。 GTのcytotoxic doseではDNA fragmentation,chromatin condensation,nuclear fragmentationが確認され,アポトーシスを誘導することが判明した。 以上より,farnesyl transferase inhibitor(FTI)であるGliotoxinは,p21-ras活性化腫瘍細胞でアポトーシスを誘導し,抗腫瘍効果が認められることが明らかになり,今後p21-ras機構の活性化が高率に認められるヒト膵癌に対する抗癌剤としての有効性が示唆された。
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[Publications] Ura H,et al: "Cytotoxicity of simvastion to pancreatic adenocarcinoma cells containing mutant ras gene" Jpn J Cancer Res. 85. 633-638 (1994)
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[Publications] 浦 等,他: "ヒト膵癌細胞に対するHMG-CoA還元酵素阻害剤の増殖抑制効果" 癌と化学療法. 20. 2247-2249 (1993)