1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04807101
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
和賀 志郎 三重大学, 医学部, 教授 (50026861)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金丸 憲司 三重大学, 医学部・附属病院, 講師 (70185908)
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Keywords | 脊髄損傷 / 神経移植 / 免疫組織学 / マイクログリア / GFAP / 神経栄養因子 |
Research Abstract |
脊髄損傷の治療の可能性として、脊髄損傷部位への移植を考えスタートしたが、最近、脊髄損傷部位より遥か離れた部位で、種々の組織反応が起こっている事が知られてきており、我々は、移植の最適部位および移植物質を決定するために、免疫組織学的検討を加えた。 ラット胸髄後索一側に脊髄損傷を作成すると、同側の薄束核にGFAP反応、マイクログリア反応、basic FGF反応が強く出現している事を確認した。また、全脊髄損傷でも両側の薄束核を中心に強い組織学的変化を認めた。時間的には、脊髄損傷後すでに24時間後よりGFAP反応、マイクログリア反応が出現し、3日目から7日目まで認められる。このことは脊髄損傷部位より離れた部位で、神経組織の再生の動きがすぐに開始される事を示し、かつ、星状膠神経細胞とマイクログリアが相互に影響を及ぼしている可能性を示唆している。3日目以後にbasic FGF反応が強く認められる事より、basic FGFが組織反応を引き起こしている一つの物質である可能性がある。 これらの結果より、脊髄損傷部位に対して移植を考えるほかに、損傷部位より離れた部位で神経再生の活動を賦活する事により、脊髄損傷の治療が可能になる事が示唆された。移植に使える物質として種々の神経栄養因子を含む細胞が考えられる。どの部位で、どの栄養因子が効果的かを次年度に探る予定である。
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