1992 Fiscal Year Annual Research Report
慢性関節リウマチの病因、病態における神経系関与の解明
Project/Area Number |
04807109
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
山中 健輔 久留米大学, 医学部・整形外科, 助教授 (10080821)
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Keywords | 慢性関節リウマチ / Substance P / Preprotachykinin / in situ hybridization法 |
Research Abstract |
Substancep(SP)は神経伝達物質としての働きの他に炎症におけるメディエーターとしても知られている。我々はSPが慢性関節リウマチ(RA)の関節液中に変形性膝関節症(OA)関節液中に比し有意に高濃度に存在する事を認めた。関節液中SP濃度は同関節液中の白血球数、IL-1濃度と有意な正の相関関係を示し炎症の重症度と相関するものと考えられた。関節液中SP放出源として、滑膜、関節包等に存在する知覚神経終末と、滑膜中の細胞が考えられる。我々は滑膜深層の血管周囲に豊富なSP陽性神経線維と滑膜表層下領域〜間質に存在するSP陽性細胞の存在を免疫組織学的手法を用いて認めた。又、滑膜中の細胞によるSP産生を確かめる目的でSPの前駆体であるpreprotachykinin(PPT)のoligonucletideDNAprobeを用いたin situhybridization法によりRA滑膜中のPPTmRNAの発現を検討した。 ISH法ではRA滑膜の滑膜表層下領域〜間質における細胞にPPTのmRNAの発現を認め、これらの細胞によるSP産生を確認した。 正常滑膜、OA滑膜中ではPPTmRNAは認められなかった。これらの事より、RAにおいて、SPは知覚神経終末より放出され、関節内に浸潤する多くの細胞を活性化させ炎症を増悪化させると共にこれらの細胞の一部は自らSPを産生し、さらに炎症の増悪化、持続化に関与しているものと考えられる。 以上の内容は、'92、日本リウマチ総会、'92、日本整形外科基礎学術集会、'92 International Substance P Symposyumで発表した。
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Research Products
(1 results)