1992 Fiscal Year Annual Research Report
各種カルシウムチャンネルブロッカーによる鎮痛作用とカルシウムイオンによる拮抗作用
Project/Area Number |
04807113
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Research Institution | 大分医科大学 |
Principal Investigator |
谷口 一男 大分医科大学, 医学部, 助教授 (30113814)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮川 明美 大分医科大学, 医学部, 助手 (40244181)
吉武 重徳 大分医科大学, 医学部, 助手 (10200974)
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Keywords | イオントフォレーシス / カルシウムチャンネルブロッカー / 局所麻酔薬 / 疼痛閾値 |
Research Abstract |
イオントフォレーシスは、電離した薬剤を直流電流の通電により、皮膚や粘膜より生体内に導入するという一種の電気療法である。 今回、リドカインの局所麻酔作用がNa‐Kチャンネルブロックばかりでなくカルシウムチャンネルにも多少関連することに注目して、局所麻酔薬にカルシウムチャンネルブロッカーを併用することにより、除痛効果の増強および作用時間の延長が得られるのではないかと考えた。 ボランティア、男女18名を対象とした。方法は、グループを7群に分け各群8名ずつとした。まず局所麻酔薬およびカルシウムチャンネルブロッカー単独の除痛効果を検討するため、(1)4%リドカイン(2)ニカルジピン(3)ベラパミル(4)ジルチアゼムを使用した。次に局所麻酔薬とカルシウムチャンネルブロッカーを併用し、(2)〜(4)の各薬剤に4%リドカインを加えて検討した。4%リドカイン単独群では、約2倍に有意に上昇し、この上昇は2時間続いた。ニカルジピン、ベラパミル、ジルチアゼムも同様の上昇であった。 リドカインとカルシウムチャンネルブロッカーを併用した群と、リドカインの単独と比較では、2時間値でリドカイン単独群に比して疼痛認知時間は延長しており、有意差を認めた。一般に局所麻酔薬は細胞膜おけるNa‐Kチャンネルを阻害する事により、その効果を発現している。 局所麻酔薬によりNa阻害の一部はカルシウムイオンとの相互作用であると考えている。 今後、カルシウムチャンネルブロッカーをイオントフォレーシスにおいて使用することによって、これまでに優る長時間作用性の鎮痛効果を臨床面においても期待できること考えられた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 宮川 明美,谷口 一男,他: "イオントフォレーシスを用いた各種カルシウムチャンネルブロッカーの皮膚除痛に及ぼす影響" 日本臨床麻酔学会誌. 12. 749-753 (1992)
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[Publications] 吉武 重徳,谷口 一男,他: "イミプラミン,アミトリプチン,クロニジンを使用したイオントフォレーシスの局所鎮痛効果" 麻酔と蘇生. 28. 25-28 (1993)