1994 Fiscal Year Annual Research Report
絨毛羊膜炎と胎児肺成熟促進効果との関係に関する研究
Project/Area Number |
04807117
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Research Institution | AKITA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
樋口 誠一 秋田大学, 医学部, 助教授 (20006779)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 秀人 秋田大学, 医学部, 講師 (80156687)
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Keywords | 子宮内感染 / 絨毛羊膜炎 / エンドトキシン / サイトカイン / 胎児肺成熟 / 肺サーファクタント |
Research Abstract |
子宮内感染が胎児肺の発育に及ぼす影響を検討するために以下の2系統の実験を行なった。(1)妊娠16日令のラットを用いて子宮内感染のモデル(妊娠子宮の一端に浸透圧ポンプを装着し、これよりエンドトキシンおよび各種サイトカインを子宮壁と卵膜の間に注入する)を作り摘出した胎仔肺について肺サーファクタント(肺サ)アポ蛋白のmRNAの発現促進の有無を検討すること。(2)妊娠26日令の妊娠家兎胎仔の肺切片を培養しエンドトキシンおよびサイトカインを培養液に添加したとき[methyl-^<14>C]chorinechrolideのphosphatidylcholine(PC)への取り込み量を検討すること。(1)および(2)の研究結果を以下に記す。(1)グラム陰性菌の細胞膜を形成するLPSの投与、および子宮内感染症を発症した羊水中で高値を示すIL-6、IL-8、およびTNF-αの持続投与においてコントロールに比較しアポ蛋白mRNAの強い発現が認められた。(2)LPSを母体に静注することにより、chorineのPCの取り込み量は著明に増加しほぼ成熟胎仔である妊娠28日目のそれに匹敵するものであった。しかし、LPSを培養液に添加してもchorineからPCへの取り込み量には変化は認められずLPSの胎仔肺への直接作用は認められなかった。次にIL-6を培養液に添加したところchorineのPCへの取り込み量は無添加(コントロール)に比べ有意に増加することが判明した。以上の結果より、子宮内感染が合併している妊婦においては胎児にとって胎児感染という危険はあるものの胎児の肺成熟(肺サの合成能)は促進される可能性が示唆された。このことは子宮内感染を合併する早産妊婦の管理の上で極めて重要な所見といえる。
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