1992 Fiscal Year Annual Research Report
超微細径ファイバースコープによる唾液腺の形態学的研究
Project/Area Number |
04807124
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
荒牧 元 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (10075260)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
余田 敬子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (70240364)
田中 裕美子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (90236646)
大竹 守 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (10233157)
宮野 良隆 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (00239427)
新井 寧子 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (50119880)
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Keywords | 唾液腺疾患 / 超細径ファイバースコープ / 唾石 |
Research Abstract |
耳鼻咽喉科において唾液腺疾患はしばしば経験される。それらの疾患に対しCT、MRI、唾液腺造影などが行われ診断に役立てられている。しかしながら唾液管、唾液腺自体を内腔から観察、診断することは今までは困難であった。そこで今回、耳鼻咽喉科用超細径ファイバースコープを用い内面よりの観察を行い新診断法の開発を行った。(対象と方法)対象は顎下腺唾石症、耳下腺唾石症である。手術対象例は全身麻酔下にそれ以外の例は局麻下にワルトン管、ステノン管を涙管ブジーで拡張したのち開口部にエラスター針の外筒を挿入する。その後、外筒に血管造影用ACPプレッシャーリングモニターシステムを接続する。次に0.61mmの超細径ファイバースコープをACPプレッシャーリングモニターシステムの挿入口より挿入し注入口より随時、生食を注入し管腔を拡張させながら観察を行った。(結果)管腔内に存在する唾石が鮮明に観察された。唾石の存在する部位より腺に近い部分においては管腔が拡張している像が観察された。また非常に粘稠度の高い唾液と膿の流出が観察された。唾液管、特にワルトン管においては管腺移行部を越えるとまず2方向に分岐され、ついで下方に向かって再び2方向に分岐される管腔が観察された。今回の対象例においてCTその他の検査で確認し得なかったステノン管内唾石疑い例において唾石が確認され確定診断が得られた例が認められた。臨床的には唾石が疑われるものの唾石が確認出来ず経過観察を余儀なくされる例がままあるが、こういった例などにおいては今後、本方法を積極的に用いることにより確定診断が得られる可能性があり推奨される新しい方法であるといえる。今後は前記の腫瘍例や反復性唾液腺炎、シェーグレン症候群などに応用することにより唾液分秘の状態および管内変化の生理学的、病理学的知見が得られるものと考えられ追試を行う予定である。
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