1993 Fiscal Year Annual Research Report
歯槽骨破壊の指標としての歯肉溝滲出液プロテオグリカン
Project/Area Number |
04807137
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Research Institution | Asahi University School of Dentistry |
Principal Investigator |
岩山 幸雄 朝日大学, 歯学部, 教授 (70028744)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村橋 廣宣 朝日大学, 歯学部, 助手 (00230003)
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Keywords | 歯肉溝滲出液 / プロテオグリカン / 歯肉 / 歯周炎 / コラーゲンクロスリンクス |
Research Abstract |
歯槽骨の代謝活性をモニターすることは歯周疾患の病態を把握する上で有効な手段になると考えられる。近年、血中や尿中に出現する骨代謝マーカーに関する検討が盛んに行われ、骨代謝疾患をモニターする有効な指標となりつつある。骨吸収のマーカーとしては骨のコラーゲン線維間の架橋物質であり、骨吸収に伴い尿中に排泄されるピリジノリン(Pyr)、デオキシピリジノリン(DPyr)が注目されている。本研究は歯槽骨吸収のマーカーとしての歯肉溝滲出液(GCF)中のPyrとDPyrを評価する目的で、イヌ実験的歯周炎の進展に伴うGCF中のPyrとDPyr量をELISA法を用いて検討した。実験動物にはビーグル成犬3頭を用いた。2ケ月間ブラッシングとスケーリングにより健常歯肉を確立した後、臼歯の歯肉溝内に外科用縫合糸を結紮した。歯肉溝滲出液はマイクロキャピラリーチューブを用いて滲出液を結紮糸の歯肉溝より注意深く一定量ずつ採取した。GCF中のPyr、DPyrの測定にはMetra社製PYRILINKS AssayとPYRILINKS-D Assayキットを用いたELISA法により行った。GCFサンプルの希釈倍率は予備実験時に行ったイヌおよびヒトの尿中での検出量を参考に至適濃度を設定し測定に供した。ヒト尿と同様にイヌ尿中よりPyr、DPyrともに検出され、本検出キットがイヌにも使用可能であった。また健常歯肉を持つイヌのGCF中からも高い濃度で検出された。実験的歯周炎の進展に伴いGCF中のPyr量およびDPyr量ともに変動し、急性炎症期に上昇し、慢性炎症期には低下する傾向が見られた。
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