1992 Fiscal Year Annual Research Report
養子免疫療法に用いるLAK細胞の口腔組織への集積性に関する研究
Project/Area Number |
04807142
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
高橋 雄三 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (50014329)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉山 芳樹 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (00162909)
藤林 孝司 東京医科歯科大学, 歯学部, 講師 (80013978)
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Keywords | 口腔悪性腫瘍 / 養子免疫療法 / LAK細胞 / サイトカイン / HLA抗原 / 化学療法剤 |
Research Abstract |
口腔悪性腫瘍に対する治療の1つとして、担癌患者の末梢血よりリンパ球を採取し抗CD3抗体およびIL-2を用いて誘導してLAK細胞(CD3.LAK)による養子免疫療法を行い、その治療効果を検討中である。この養子免疫療法の効果増強のためには、いろいろな方法が考えられるが、種々のサイトカインおよび化学療法剤、放射線との併用もその1つである。そこで、口腔扁平上皮癌由来樹立細胞株(NA)を用い、サイトカインや化学療法剤で処理を行い、LAKに対する感受性の変化および処理した腫瘍細胞上のHLA抗原および接着分子の発現状況について考察中である。腫瘍細胞のインターフェロン処理は、LAKに対する感受性に抵抗性を示すようになる。この抵抗性は5FU処理により緩和される。HLAクラスI抗原の発現を増強する。HLAクラスII抗原の発現は増強を見ない。また、CD56(ICAM-I)の発現を増強する。腫瘍細胞の5FU、CDDP処理は、LAKに対する感受性を増強する。しかし、5FU処理はHLA抗原の発現を増強するがCDDP処理はHLA抗原の発現をわずかに減弱する。処理濃度については、現在検討中であるが、ある濃度以上では、濃度を変化させてもLAKに対する感受性には変化を見ない。膜抗原の発現状況についても現在検討中である。インターフェロン、5FU、CDDP処理はLAKに対する感受性を変化させる。また、腫瘍細胞上の抗原の発現状況をも変化させるが、LAKに対する感受性とこれらの抗原の発現状況とは直接的関連はなく様々な機構が作用していると考えられた。
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