人工歯根の応用による顎顔面再建法の研究

1993 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 04807144
• Research Institution: KYOTO UNIVERSITY
• Principal Investigator: 坪井 陽一 京都大学, 医学部, 助手 (60221420)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): エクテサビ アリ・モタメ 京都大学, 工学部, 助教授 (50232939) ; 堤 定美 京都大学, 生体医療工学研究センター, 助教授 (00028739) ; 中野 善久 京都大学, 医学部, 講師 (70115898) ; 佐藤 進 京都大学, 工学部, 教授 (90025875) ; 松久 寛 京都大学, 工学部, 助教授 (00109034)
• Keywords: 人工歯根 / 顎顔面再建 / 骨移植 / イオン注入 / 振動解析

Research Abstract

「人工歯根の応用による顎顔面再建法の研究」により,下記のような研究実績が得られた。
1)骨移植を含めた人工歯根の臨床応用:人工歯根を応用した骨移植を伴う顎顔面再建への応用について臨床的検討を行った。これにより従来の補綴前外科手術では得られなかった機能的および審美的に著明な改善が得られることが判った。これらの結果は日本口腔外科学会(弘前),アジア顎顔面口腔外科学会(台北,台湾)において報告,論文投稿を行った。
2)イオン注入による新生体材料の開発:コンピュター支援よる表面解析法,イオン注入による表面改質の基磯研究を行った。イオン注入法により物理化学的に安定した薄膜が再現性を持って作成されることが明らかになった。これらの結果は日本機械学会(東京),日本バイオマテリアル学会(東京),イオンビームに関する国際シンポジウム(サンヂエゴ,USA),FDI Congress(イエテボリ,Sweden)で報告および論文投稿を行った。
3)振動工学理論による人工歯根・骨系の動特性の解析:人工歯根・骨系の動特性の解析に,歯槽骨および歯根膜を圧縮および剪断のばねおよびダンバとして,ばねは歯根膜,歯槽骨の圧縮限界を考慮した非線形関数とする力学モデルを作製した。これらは,理論計算値と実験のよい一致を得え,これの応用により天然歯,人工歯根を連結したときの動的荷重の配分特性も明らかにした。これらにより人工歯根と天然歯根の動特性の相違点,人工歯根のデザインにおける問題点が明らかになった。これらの結果は日本機械学会(東京),日本口腔診断学会(岡山),FDI Congress(イエテボリ,Sweden)で報告を行い,論文投稿を行った。
4)多層断層X線CTによる三次元像およびCAD/CAMの応用:これらの応用により人工歯根による機能的審美的に優れる顎顔面再建の手術シミュレーション,再建後の形態予測を行い,論文投稿を行った。なお本研究は現在も継続している。

Research Products

• [Publications] 坪井陽一: "顎顔面外傷に伴う歯牙欠損に審美および機能回復を目的としたOsseointegrated Implantの応用" 整形・災害外科. 35. 355-359 (1992)
• [Publications] 坪井陽一: "骨移植とインプラント義歯による高度上顎歯槽堤萎縮症の治療" 口本口腔外科学会誌. 39. 1304-1313 (1993)
• [Publications] 松久寛: "天然歯根および人工歯根の動特性" 日本機械学会誌. 930. 415-419 (1993)
• [Publications] エクテサビA.M.: "イオンビームアシスト法による生体材料作成に関する研究" 日本機械学会誌. 924. 54-56 (1992)
• [Publications] エクテサビA.M.: "低エネルギーイオンビームミキシングによる新生体材料の開発" BEAMS '93. 163-166 (1993)
• [Publications] A.M.Ektessabi: "Simulation of ion beam assisted deposition with experimental results" Vacuum. 44. 213-217 (1993)