1992 Fiscal Year Annual Research Report
新規高選択的蛍光反応によるグアニン含有核酸関連物質の一斉高感度分析法の開発
Project/Area Number |
04807157
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
甲斐 雅亮 九州大学, 薬学部, 助手 (00160953)
|
Keywords | グアニン / 核酸関連物質 / 高速液体クロマトグラフィー / 蛍光検出 / 化学発光検出 / フェニルグリオキサール / 選択的試薬 / 高感度分析 |
Research Abstract |
本年度の研究では,当研究代表者らが既に発見しているフェニルグリオキサール(PGO)試薬を用い,グアニン,そのヌクレオシド及びヌクレオチドの高速液体クロマトグラフィー(HPLC)における蛍光誘導体化反応並びに化学発光反応の諸条件について検討し,以下の研究成果を得た。 1.プレカラム蛍光誘導体化HPLCによるグアニン及びそのヌクレオシ(チ)ド類の高感度分析: グアニン関連化合物は,12.5mMリン酸塩緩衝液(pH6.0)中,25mM PGOと37℃15分間反応させることによって,それぞれ単一の蛍光体を生成し,それらは逆相HPLCによって分離,蛍光検出できた.この方法によるグアニン及びそのヌクレオシ(チ)ドの検出下限(S/N=3)はHPLC注入量で140-720fmolであり,極めて高感度にそれらを定量できた.この誘導体化法は,極めて穏和な条件であるので,ヌクレオシ(チ)ド類に対して加水分解などによる副反応物を与えず,グアニンを含まないヌクレオシ(チ)ド及び生体物質に対して蛍光体を形成しないものであった.以上により,PGOはグアニン塩基を分子認識する分析用蛍光試薬として,HPLCに適用可能であることが分かった. 2.化学発光反応によるグアニン及びそのヌクレオシ(チ)ド類の高感度分析:PGOとグアニン及びそのヌクレオシ(チ)ドとの蛍光反応後,生じた蛍光生成物は,ジメチルスルホキシドまたはジメチルホルムアミド存在下,リン酸塩緩衝液のpHを弱アルカリ性へ導くことにより,強く発光する知見を得た.用手法による蛍光測定では,365-925pmol/mlの検出下限(ブランクの2倍の強度を与える反応液中の濃度)を示したが,化学発光強度を測定することにより,それらの検出下限は8-27lpmol/mlとなった.この方法は,グアニン及びそのヌクレオシ(チ)ド類の高選択的高感度化学発光分析法としては初めてのものである.
|
Research Products
(1 results)