1992 Fiscal Year Annual Research Report
ムスカリン性アセチルコリン受容体のGiおよびGg共役機構の解明
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04807172
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Research Institution | Nara University of Education |
Principal Investigator |
村山 芳武 奈良教育大学, 医学部(分), 助手 (40219952)
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Keywords | IGF-II受容体 / ムスカリン性アセチルコリン受容体 / G蛋白活性化 / M4アセチルコリン受容体 / Gi共役受容体 |
Research Abstract |
我々は、1回膜貫通受容体であるインスリン様増殖因子2型受容体(IGF-IIR)のシグナル伝達機構を解析してG蛋白活性化配列criteriaを得た。すなわち、(i)N端部分に最低2個の塩基性残基と(ii)C端のB-B-X-BあるいはB-B-X-X-B構造が必須であることと、経験則的に得られた(iii)残基数が10以上26残基以下というcriteriaである。今年度は、これをGiに共役することが証明された受容体(Gi共役受容体)のうち、ムスカリン性アセチルコリン受容体に適用してGi共役機構を検討した。具体的には、M4アセチルコリン受容体(M4AchR)を選び、当該領域の精製G蛋白活性化能をGi、Go、Gsについて調べた。M4AchRは第2細胞内ループの130-147残基領域(RYFCVTKPLTYPARRTTK)と第3細胞内ループのC端付近の382-400残基領域(RNQVRKKRQMAARERKVTR)にG蛋白活性化候補領域が存在する。2つのペプチドを合成して調べたところ、いずれの領域もGiとGoを等しいpotencyで活性化するが、Gsへの作用は極めて弱かった。第3細胞内ループ領域はnMオーダーで効果があり、すでに我々が明らかにしたβアドレナリン受容体のArg^<259>-Lys^<273>のGs活性化能のpotencyとほぼ等しかったが、第2細胞内領域のそれは1/10-1/30であった。また同じ活性化領域と言っても、Mg^<2+>に対する作用の依存性は質的に異なり、Mg^<2+>非存在下で第3細胞内ループ領域はGi活性化能を持たないが、第2細胞内領域はGiを活性化することが明らかになった。すなわち、第3細胞内ループ領域は受容体様にGiを活性化するが、第2細胞内領域は受容体様には作用しないということである。以上のことから、potencyとMg^<2+>依存性という点からみて、M4AchRは第3細胞内ループC端側領域を介してGiと共役している可能性が最も高い。以上より、1回膜貫通受容体から導き出されたG蛋白活性化配列が7回膜貫通受容体にも存在すること、さらに実際のGi共役機構を解析可能であるということが明らかになった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Okamoto T.: "Measurement of GTPrS binding to specific G proteins using G protein antibodles." FEBS Lett.305. 125-128 (1992)
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[Publications] Nishimoto I.: "Alzheimer amyloid protein precursor forms a Complex with the GTP binding protein Go." Nature. (1993)
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[Publications] Okamoto T.: "Detection of G protain-activator region in M4 subtype muscarimc,Cholinergic,and α_2-adrenergic receptors based upon characteristics in primary struefure." J.Biol.Chem.267. 8342-8346 (1992)