1992 Fiscal Year Annual Research Report
造血因子によるAPOPTOSISの誘発を利用した白血病の治療に関する実験的研究
Project/Area Number |
04807179
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
別所 正美 埼玉医科大学, 医学部, 助教授 (40165519)
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Keywords | 顆粒球コロニー刺激因子 / apoptosis / 骨髄性白血病 |
Research Abstract |
顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)によるapoptosisの誘発を利用した白血病の発症抑制について、放射線誘発マウス骨髄性白血病細胞(C2M)から限界希釈法によって新たに樹立して得たclone A5株を用いて実験的検討を行った。 その結果、1.Clone A5細胞移植によって発症するマウス骨髄性白血病は、G-CSFの皮下投与によって抑制されること、2.In vitroの検討では、clone A5細胞はG-CSF非添加の培養条件では約24時間のdoubling timeで指数関数的に増加したが、G-CSF添加の条件では培養4日めよりviabilityは低下し、以後G-CSFの濃度に依存して減少すること、3.Clone A5細胞の白血病コロニー形成能は、G-CSF添加の条件では培養2日めよりG-CSFの濃度に依存して減少すること、4.G-CSF添加の条件では、培養2日めより形態学的なapoptosisの所見が観察され、DNAの電気泳動でもapoptosisに特徴的とされるDNAの断片化が観察されること、5.Clone A5細胞のin vivoでの白血病発症能は、G-CSFとの48時間の前培養によって抑制されること、などが明らかになった。 以上の結果から、G-CSFはclone A5細胞移植マウスにin vivo投与すると白血病の発症を抑制すること、そしてこの白血病発症抑制のメカニズムとして、G-CSFによってclone A5細胞にapoptosisが誘発されたことが考えられた。ここで観察されたことが、マウス骨髄性白血病に普遍的にみられるのか、またヒト白血病でも同様の現象がみられるのかは今後の課題である。これらの点について検討することによって新しい白血病治療の糸口が見いだされることが期待される。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Masami Bessho: "Trilineage recovery by combination therapy with recombinant human granulocyte colony-stimulating factor(rhG-CSF)and erythropoietion(rhEPO)in severe aphstic anemia." British Jounal of Haematology. 40. 409-411 (1992)
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[Publications] Masami Bessho: "A hematological remission by clonal hematopoiesis after treutment with recombinant human ghanulocyte-macrophage colony-stinulating factor and erythropoietion in a patient with thorapy-related mylodysplastic syndrome." Leukemia Research. 16. 123-131 (1992)
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[Publications] 別所 正美: "G-CSFによるマウス骨髄性白血病の発症抑制" 日常診療と血液. 2. 1293-1300 (1992)
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[Publications] 別所 正美: "骨髄性白血病のG-CSFによる分化誘導" 造血因子. 3. 257-267 (1992)
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[Publications] 別所 正美: "G-CSFによる骨髄系細胞のアポトーシス" 臨床免疫.
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[Publications] 別所 正美: "BRMとサイトカインの制癌作用:G-CSF" 造血因子.
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[Publications] 別所 正美: "サイトカインの臨床応用" 中外医学社, 160 (1992)