1994 Fiscal Year Annual Research Report
協調問題解決過程に対するコミュニケーション形態の効果についての実験的研究
Project/Area Number |
04831010
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Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
三宅 なほみ 中京大学, 情報科学部, 教授 (00174144)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土屋 孝文 中京大学, 情報科学部, 助手 (10227431)
小笠原 秀美 中京大学, 情報科学部, 助手 (60204054)
樋口 一枝 中京大学, 情報科学部, 助教授 (80228717)
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Keywords | 協調問題解決 / コンピュータネットワーク / コミュニケーション |
Research Abstract |
昨年度までに実施された複数人による問題解決場面の心理実験をふまえ、本年度は、非対面状況、特にコンピュータネットワーク上でのコミュニケーションを通して達成される問題解決支援を目的として、以下の点に注目した多人数参加が可能なコミュニケーションツールの実装を行った。 (1)一般にテキストに制限される入出力手段を拡張する。 (2)介在する計算機のデータ加工、情報処理能力を利用し、対面状況そのものの仮想的な模倣に留まらない人工的な環境を提供する。 ネットワーク上にGUIを設計し、サーバ・クライアント型の通信を利用して、会話者の入力を遠隔で観察・記録できるようなコミュニケーションツールを作成した。ツールには、テキストに加えて、:-)のような表情を模した記号列を容易に入力する機能や、表情をもった似顔絵の描画機能が付加されている。また、会話者は送信相手を限定したり、前もって用意された定型文を利用した会話を行うことができる。 ツールの実装は基本的設計から、その段階での使用評価を繰り返しながら、拡張や仕様の変更を行う形で進められた。特に会話の順番取りに関する入力インターフェイスの制約が使用観察から指摘され、改良された。 本ツールを用いて、非対面状況の多人数による問題解決場面や交渉場面の心理観察実験を継続し、主にこれらテキスト以外を使用する共同問題解決者に対する対人認知について会話後のアンケートを中心に検討を進めた。また、いわゆる問題空間上での探索過程となるいくつかの問題解決について、会話記録との対応についても検討を行った。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 土屋孝文,鈴木健志,村上和人,樋口一枝,輿水大和,戸田正直: "似顔絵送受信機能をもつコミュニケーションツールの提案と実現" 画像の認識・理解シンポジウム(MIRU′94). 1. 217-224 (1994)
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[Publications] 樋口一枝: "人間の行為としてのコミュニケーション:人間の「知」の総動員" 名古屋大学大型計算機センターニュース. 25. 273-283
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[Publications] 樋口一枝: "情報技術者のための認知科学(V)-人間にとってのコミュニケーション" 電子情報通信学会誌. (掲載予定).
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[Publications] Masanao Toda & Kazue Higuchi: "EMOTION AND SOCIAL FACTORS IN COMMUNICATION" Proc.of IEEE international Workshop on Robot and Human Communication. 12-17 (1994)
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[Publications] 三宅なほみ: "情報技術者のための認知科学(I)認知科学とはなにか:問題解決研究を例として" 電子情報通信学会誌. 77. 1052-1058 (1995)
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[Publications] Naomi Miyake: "Personal knowledge:Its ezternalization,manipulation and sharing for scientific creative activities" International Symposium-Intellectual facilitation of creative activities:Proceedings“Science and Technology Agency". 14-19 (1994)