1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04832013
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
土橋 律 東京大学, 工学部, 助手 (30237177)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 敏右 東京大学, 工学部, 教授 (70007615)
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Keywords | ガス爆発 / 火炎面の乱れ / 選択拡散 / 予混合伝ぱ火炎 / 高速度シュリーレン写真 |
Research Abstract |
ガス爆発事故の発生を防止し、またその被害を軽減するために、ガス爆発時に伝ぱする火炎に生ずる乱れの発生および成長機構について研究した。研究では、小型模型爆発容器を用いた実験をおこない、爆発時に伝ぱする火炎の挙動および容器内の圧力変動を測定した。可燃性ガスとしては、燃料用としてよく用いられ、空気より軽いメタンおよび重いプロパンを用いた。今回の実験では、火炎に圧力波を作用させ火炎を加速させることにより火炎面に乱れを生じさせた。 火炎面に圧力波を作用させ加速させると、スケールが数ミリの細かい乱れが火炎面に発生し、火炎の伝ぱ速度および圧力上昇速度が増大することがわかった。この時発生する乱れの構造を調べるために、新しく考案した容器内に光源を設置するシュリーレン光学系を用いて、乱れの発生している火炎面を火炎面に垂直な方向から観察した。火炎の加速により発生した乱れは、この方向から観察すると円形をしていることがわかった。通常の高速度シュリーレン写真も、容器側面の窓を通して火炎面の接線方向から撮影した。これら2つの方向からの観察結果を総合してこの乱れの3次元構造が、スパイク状の形であることがわかった。これに対し、プロパンの過濃混合気中で選択拡散の効果により発生する乱れを、同様の方法で観察すると、この乱れは溝状の3次元構造をしていることがわかった。この構造の差異は、乱れの発生成長機構の違いにより生じている。乱れの変位が一定値になると成長しなくなる選択拡散の効果に対し、加速による効果は、変位が大きくなる程強くなることが示唆されている。 この結果により、圧力波および選択拡散の効果による火炎面に発生する乱れの発生成長の性質が明らかになった。ガス爆発現象を理解し、その防御策を作成する上で有用である。
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Research Products
(2 results)