1992 Fiscal Year Annual Research Report
環境への汚濁負荷を最小にする総合排水処理システムの評価
Project/Area Number |
04832020
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
藤江 幸一 横浜国立大学, 工学部, 助教授 (30134836)
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Keywords | 排水処理 / 生物分解性 / 微生物馴致 / 難分解性物質 / 酸化分解性 / 汚濁源解析 / キノンプロファイル法 / ゲルクロマトグラフ |
Research Abstract |
各種産業から排出される排水には、界面活性剤、水溶性高分子物質、含窒素有機溶剤などの多種多様の難分解性物質を高濃度で含み、従来の排水処理では十分な処理効果を得ることが出来ず、排出基準値を満足するための後処理に利用されている活性炭処理への負荷が大きくなり、処理コストを押し上げる大きな要因になっている場合や、十分な処理が行われることなく環境中に排出されている場合も見受けられる。本研究では、1)各種生産プロセスから排出される産業排水のキャラクタリゼーションによって処理困難物質を明かにする、2)処理困難物質の発生源を明かにするとともに、処理過程での物質変化を明かにし、3)難分解性物質が生物排水処理装置に流入したときの微生物の馴致過程および処理水質の変動を解析し、処理水質を向上するための最適な微生物馴致方法について検討することを目的とした。高濃度の難分解性物質を含む排水として、金属機械加工工業および化学工業排水を取り上げ、前者については、1)排水中の難分解性物質を特定するために、紫外吸光スペクトルと分子量分布を同時に測定する手法を用いるとともに、2)オゾン、過酸化水素、フェントン試薬による難分解性物質の酸化分解特性の解析、3)酸化分解前後での生物処理特性の解析を行った。後者の排水については、使用量が大きい微生物難分解性溶剤であるジメチルホルムアミド(DMF)を取り上げ、1)これが生物処理装置に流入したときの、装置内での微生物相の変化および微生物馴致の過程を、キノンプロファイル法を用いて解析するとともに、2)DMF除去速度を短期間で上昇するための最適な微生物馴致方法を確立するための知見を得た。
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