1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04832025
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
幸田 武久 京都大学, 工学部, 助教授 (60205333)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 紘一 京都大学, 工学部, 教授 (70026079)
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Keywords | 自律型システム / 安全性評価 / ボンドグラフ / 事故連鎖シナリオ / 因果関係 / エネルギー流 / 事故原因 / 定性推論 |
Research Abstract |
研究計画の初年度である今年度は、「研究目的・研究実施計画」の内、「システムの構成要素であるハードウェアおよびソフトウェアの統一的表現法とその表現方法を基にした事故シナリオの自動生成する方法の検討」に関して主に考察した。その中でも、特に自動制御化されたプラントの事故原因を抽出する方法として、エネルギー流の概念に基づいてシステムをモデル化するボンドグラフによる解析法を開発、検討した。 ボンドグラフはシステムのエネルギー流に着目するので、自律化システムにおける動力の伝達等を表現するのに適している。ボンドグラフ要素が実際のシステム内で考慮する物理現象と1対1に対応するので考慮すべき故障要因を簡単に組み入れで表現できた。システムを構成する要素の動的な挙動をボンドグラフでモデル化することにより、要素間の影響やエネルギー保存関係を定量的でだけでなく、定性的にも取り扱うができる。従来の事故原因解析では、定性的な表現を基に論理的な因果関係から事故原因が導出され、実際の定量的な値を定性的な値に変換する際にどのように行うかの問題が存在した。ボンドグラフ表現では定量的な値と定性的な値の対応がより明確にすることができた。解析対象である事故現象はシステムで観測される物理的変数の変化として表現でき、ボンドグラフから得られるシステム状態方程式を基に変数間の因果関係を逆にたどれば事故原因候補が導出できる。また、要素故障がシステム変数に生じる影響もシミュレーション等により定量的あるいは定性的な評価が可能となった。 また、自立化システムにおけるハードウェアの動的挙動と動作規範や制御則等のソフトウェアを統一的に表現する方法として、条件と行動によりなるルール型表現の適用可能性を確認した。
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