1993 Fiscal Year Annual Research Report
温室効果ガスの発出と抑制施策の効果算定モデルの開発
Project/Area Number |
04832026
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
松岡 譲 京都大学, 工学部, 助教授 (90109033)
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Keywords | 地球温暖化 / エネルギー消費 / アジア地域 / 日本 |
Research Abstract |
消費エネルギー(最終エネルギー)の需要量積み上げモデル構築支援のために先進国、途上国の民生、産業、交通各部門のエネルギー消費関連パラメーターの収集よりデータベース化を行った。特に本年度は、わが国に焦点を置き、詳細なエネルギー消費機器に関する技術及び経済パラメーターを収集した。さらに、エネルギーが行うサービスの今後の推移に関するシナリオ策定を行った。 一方、シナリオで外生的に与えられた各エネルギーサービスを満たすべく、エネルギー消費機器の選択を、固定費用、エネルギー費用及び環境税あるいは、二酸化炭素排出抑制の意図をもって実施される補助金交付下において費用最小化基準で行うとの仮定のもとで、機器選択モデルを構築した。機器選択及び補助金額の算定は、機器選択の最適化については、線形計画問題となり、補助金投下量は、その最適空間内にて、二酸化炭素排出抑制量最大となる点を求めるという多段階最適化問題となっている。このモデルでは、前者に関しては、シンプレックス法を用い、後者に関しては、前者の問題の感度解析を拡張した逐次的線形計画法によって求解を行っている。 部門分けは民生に関しては、家庭、業務の二部門、産業においては、鉄鋼、製紙・パルプ、セメント等、化学工業及びその他部門の5部門、交通は1部門としている。これらの各部門に関して、それぞれ5〜20のサービス量が発生しているとしている。計算の結果、産業各部門においては、現在市場化されている省エネルギー機器はほぼ完全に選択され導入されるのに比べ、民生二部門においては、初期費用(機器費用)が高いために、省エネルギーあるいは二酸化炭素排出量が少ない機器の選択がなされないことがしばしば発生した。このため、2010年までの期間においては、わが国全体の二酸化炭素排出量の平準化は困難との結果となっている。
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Research Products
(1 results)