1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04832028
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
由良 憲二 京都大学, 工学部, 助手 (50158341)
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Keywords | マンパワースケジューリング / 残業時間 / 納期 / 仕事量 / 最適化 |
Research Abstract |
わが国の勤労者の年間労働時間は欧米に比べて長く、残業も多い。勤労者の中には、健康面を顧みる余裕もなく、残業を拒否できない人も多く、極端な場合には健康上に重大な危機がもたらされている場合がある。このような状況を解消するために、各企業体は、仕事量を科学的、定量的に把握し、各従業員に適切な仕事量を配分しなければならない。本研究は、このような観点から、残業時間を最小化するように、各勤労者が各期間において遂行すべき仕事量を決定する基本的手続きを確立することを目的としている。 本年度は、企業体が処理しなければならない仕事を、各従業員に適切に割り当て、特定の期限までに完成させるための計画手法について研究を行った。一般に規模の大きい仕事は、部分的な仕事に分け、何人かの個人(あるいはグループ)に割り当てられる。仕事を、できる限り細かな部分的な仕事に分ければ、各個人に割り当てられる仕事量のバランスを取りやすく、特定の個人に過大な仕事が割り当てられることを避けることができ、残業時間を減少させることができる。しかし、仕事をあまりに細かく分けて多人数で処理する場合、各部分的仕事を行う個人間で仕事の打ち合わせをする必要があり、かえって勤務時間や残業時間の増大につながる。そこで、仕事の分割と打ち合わせ時間とを考慮し、残業時間を最小化するためのマンパワースケジューリングの定式化を行った。また、この問題を解析していく上で、各従業員の残業時間と年次休暇取得が仕事の完成時期に及ぼす影響を分析し、その成果を公表した。
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