1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04832033
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
原 泰毅 九州工業大学, 工学部, 教授 (10039084)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 英嗣 九州工業大学, 工業部, 講師 (40037940)
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Keywords | エアーバック / アジ化ナトリウム / 経時変化 / 熱反応性 / メカノケミストリー |
Research Abstract |
エアーバッグ用ガス発生剤の主剤であるアジ化ナトリウムについて、その反応性に及ぼす粒子径,結晶性,雰囲気,水分及び経時変化などの影響を主として熱分析法により検討して、以下の結果を得た。 (1)アジ化ナトリウムの市販品は加熱条件下では空気雰囲気下で460℃で激しい発熱反応を起すが、これをペレット状にすると400℃付近まで反応温度は低下する。この反応温度は雰囲気ガスの種類及び圧力によって異なる。即ち、常圧下では熱伝導性の高い気体(ヘリウムなど)の場合は反応温度は高くなる。加圧下でもこの傾向が認められるが、いづれの気体の場合も反応温度は低下した。 試料を粉砕した場合には粉砕時間の増加に伴って反応温度は低下するが、この際粉砕時間の短い試料の分解温度の再現性は余り良くないが、長い試料では良好な再現性が得られた。 (2)アジ化ナトリウムを種々の雰囲気ガス中に放置すると経時変化を起こし、この変化はその種類によって著しく異った。すなわち、不活性ガスの窒素中では経時変化しないが、酸素及び炭酸ガス中では50時間の放置で純度が5〜8wt%低下した。水蒸気を含む炭酸ガス雰囲気下ではその経時変化は激しく、48時間経過では純度は47%に低下した。経時変化後の試料の粉末X線回折では炭酸水素ナトリウムの生成が認められた。また、経時変化した試料は熱分解反応でも反応温度が低下することか判った。 (3)粉砕した場合には粉砕初期には結晶子の大きさは減少したが、粉砕を継続すると結晶子は大きくなりその回複が認められるという興味ある結果が得られた。
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