1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04835004
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
林 正彦 東京大学, 理学部, 助手 (10183914)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川辺 良平 国立天文台, 助手 (10195141)
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Keywords | 原始惑星系円盤 / 惑星系形成 / 星形成 / アクリーションディスク |
Research Abstract |
本年度の研究は,惑星系形成の理解に向けての画期的な発見の連続であった.すなわち,原始惑星系円盤に付随するガス成分の発見およびその構造と運動の解明である. 原始惑星系円盤から惑星系が形成されるときには,最終的に円盤内のガスが消失するはずである.惑星系形成のどの段階でいかにしてガス成分が消失するかは,惑星の形成を理解するうえでの重要な問題となっている.ところが今までの観測ではガス成分を検出することが非常に困難であったために,原始惑星系円盤の研究は円盤中に含まれる固体微粒子(ダスト)からの熱放射の観測のみに頼っていた. われわれはガス成分検出のためにいくつかの困難を回避し,本年度初頭に野辺山宇宙電波観測所の45m望遠鏡を用いて,T Tauri型星GG Tauに付随する原始惑星系円盤からの一酸化炭素の輝線の検出に成功した.引き続き野辺山ミリ波干渉計によりGG Tauの原始惑星系ガス円盤の構造を分解し,これが南北方向を軸として回転していることを確立した. これらの観測は以下の点で画期的であり,今後の研究において円盤の進化とそれにともなう惑星系の形成を理解するうえでの貴重な最初のステップとなる. (1)原始惑星系円盤のガス成分の初めての確実な検出. (3)ガス円盤の構造を分解した.その結果,ガス円盤のサイズがダスト円盤のサイズに比べて数倍程度の大きさで広がっていることを発見した.これはダスト放射で見える100AU程度の高密度円盤の外部に,低密度の円盤が広がっていることを意味する. (3)原始惑星系円盤が回転していることを直接検証した. (4)一酸化炭素ガスのダストに対する存在度が,星間分子雲での値に比べて円盤内では1/100程度に減少していることを発見.これは,円盤内のガスがすでに大部分消失している可能性を示唆するかもしれない.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] M.Skrutskie: "Detection of CO(J=1-0)Emission from Circumstellan Gas Around GG Tan" Astrophysical Journal. (1993)
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[Publications] R.Kawabe: "Discovery of a Rotating Protoplanetary Gas Disks around a Young Star GG-Tan" Astrophysical Journal Letters. (1993)
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[Publications] M.Hayashi: "A.Clumpy Ring of CS(J=1-0)Emission around the S140 IR Cluster" Publ.Astron.Soc.Japan. 44. 391-405 (1992)
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[Publications] R.Miyawaki: "^<13>CO(J=1-0)Obsirvations of L1489" Publ.Astron.Soc.Japan. 44. 557-560 (1992)