1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04836011
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
淺野 仁子 京都大学, 医療技術短期大学部, 教授 (10028392)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
淺野 朗 大阪大学, 蛋白質研究所, 教授 (30029938)
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Keywords | ミトコンドリアDNA / 加齢 / ビオチン化DNAプローブ / ヌクレアーゼ |
Research Abstract |
私達はこれまでに、ラットのミトコンドリアDNA(mDNA)上の3つの配列をプローブとして、肝細胞での加齢に伴うmDNA量の核DNA量に対する減少を明らかにしてきた。4年度には、新たにmDNAの複製起点を含む約1kbの配列をはさむプライマーを用い、PCR法で増やした配列をプローブに加えた。これら4つのプライマーを使って、ラットの心筋、大腿骨格筋におけるmDNAの加齢変化を、既報に従って測定した。その結果、心筋においては、肝ほどではないがやはりmDNA量の減少が観察され、24ヶ月齢ラットでは、2ヶ月齢ラットの約60%になっていた。また、老齢ラットの大腿骨格筋では、サザンブロットの結果、若ラットや肝では見られない異常なバンドが観察され、mDNAに制限酵素分解に抵抗性の異常が起きている事が予想された。これらの結果から、いずれの組織においても正常なmDNAは加齢とともに減少することが明らかとなった。すなわち、これらはmDNAの変化が老化と深い関連性を有するという私達の仮説を支持するものである。今後は、引き続き他の組織についても同様な試みを広げると共に、個体差からくる実験結果の振れを小さくするために、例数を増やす等してこの仮説を確かにして行きたい。 一方、mDNAの減少に働いていると予想されるミトコンドリアのヌクレアーゼについても研究を開始している。いままでに、ミトコンドリアに少なくとも2つのヌクレアーゼを見つけている。これらは、既報のDNaseとは異なっていることが明かとなった。現在これらの精製を進めている。
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Research Products
(1 results)