1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04836014
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Research Institution | Kyoto University of Education |
Principal Investigator |
細川 友秀 京都教育大学, 教育学部, 助教授 (10117905)
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Keywords | 自己抗体産生制御 / 加齢 / ストレス / 神経内分泌 |
Research Abstract |
自己抗体産生の制御機構の加齢変化における神経内分泌系の関与を研究するため、加齢に伴う自己抗体産生を示すMRL/nマウスに水浸拘束ストレスを負荷し、自己抗体産生制御機構に及ぼす短期的および長期的影響を調べ以下のことを明らかにした。短期的影響については、約1.5年齢のマウスまではストレス負荷後3日目をピークとし、6〜7日目に回復するような、胸腺の一過性の萎縮が起こり、他の免疫器官でも同様な主にT細胞の減少が起こる。また、ストレス負荷後3日目の血清中の抗DNA自己抗体のレベルは、6ヶ月齢程度の比較的若いマウスでは影響を受けないが、1〜1.5年齢のマウスではIgGクラスの減少がある。これらのマウスの脾臓細胞の自己抗体産生機能をin vitroで調べると齢にかかわらず、IgG抗DNA自己抗体産生活性の低下がある。以上の変化はストレス負荷による一過性のものである。以上から、IgGクラスの自己抗体産生が起こる以前の、4ヶ月齢より若いマウスは、ストレス負荷による急性の変化が一過性で完全に回復するため、免疫系の加齢変化へのストレス負荷の長期的影響を調べるため適当な対象であることがわかる。 次に、長期的影響を調べるには、4ヶ月齢のマウスに1回の水浸拘束ストレスを負荷するだけで十分な効果があり、くり返し負荷する必要がないことがわかった。つまり、4ヶ月齢のマウスをストレス負荷後、IgGクラスの自己抗体産生が上昇する月齢まで飼育し、脾臓細胞の自己抗体産生機能を調べると、総IgM、総IgG抗体産生は低いにもかかわらず、抗DNA、IgG抗体産生が高進していた。また、抗体産生を抑制する抑制性T細胞活性を測定しても、抗DNAIgG抗体産生を抑制する活性が特異的に低下していた。抑制性T細胞の生成へのカテコールアミンなどの添加の影響は固体差が大きく不明であった。以上の成果は平成5年の基礎老化学会で発表するとともに関連学会誌に投稿する予定である。
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Research Products
(1 results)