2005 Fiscal Year Annual Research Report
ポテンシャル曲面上の極限的反応経路図の完全探索とその応用
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04F04118
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大野 公一 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
HAJGATO Balazs 東北大学, 大学院・理学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | Reaction Pathways / Potential Energy Surface / Equilibrium Structure / Transition States / Scaled Hyper Method |
Research Abstract |
Scaled Hypersphere(SHS)法は、ポテンシャルエネルギー面を探索する強力な手法であり、少数の分子の関係する反応の研究に有効である。本研究では、孤立系である大気層ならびに宇宙空間での反応に着目して反応経路を計算した。 小さな炭素クラスターは、星間分子や宇宙化学などとも関連しており、その生成過程に非常に興味が持たれている。本研究課題では、SHS法を用いて6原子までの小さな炭素クラスターのポテンシャルエネルギー面を計算し、異性化反応と解離のチャンネルに沿って生成物のエネルギー関係を完全に探索した。これらの化合物の特定電子状態のポテンシャルエネルギー面を信頼できる手法とレベルで調べることは、大気層の上空および地表付近で起こっている化学反応について実験的手法によらずに研究する事に繋がる。 また、この研究課題と関連して、走査型トンネル顕微鏡による半導体表面上での炭化水素化合物の吸着過程を研究し、炭化水素の分子集合を観測した。この結果は、炭素化合物のポテンシャルエネルギー面上の分子の運動についての計算結果と結びつけることが出来た。このような実験と密接に関連した理論的研究は、ダイアモンドや炭化ケイ素の薄膜を蒸着によって生成する中間生成物を知るために非常に有効である。計算は、3重項状態と1重項状態を密度汎関数法を使って行い、エネルギーはCCSD(T)法を用いてより正確に見積もった。
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Research Products
(2 results)