2004 Fiscal Year Annual Research Report
ナノサイズ強誘電体におけるサイズ効果と新規量子物性
Project/Area Number |
04F04146
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
伊藤 満 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
YU Jian 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | ペロブスカイト / ナノサイズ効果 / 量子物性 |
Research Abstract |
本研究の目的は湿式化学溶液法でBaTiO_3とSrTiO_3の粒子サイズを変化させ、それらの誘電性と強誘電性の温度依存性の測定を通して誘電性と粒子サイズの相関を調べることにある。また有限の粒子サイズ効果と量子効果が強誘電性に与える影響をコンピュータシミュレーションによって解析することも主目的としている。この研究を通してゼロ点振動のような量子効果がBaTiO_3の強誘電性に与える影響を明らかにし、ナノ強誘電体の物性を粒子径の関数として求めることができると予想される。またナノ強誘電体の有限サイズ効果のモデル構築が可能である。これらの結果はナノ強誘電体に関する知見を増やし、最終的にナノ強誘電体デバイス作製と設計に資することになる。所期の目的を達成するために、本年度は実験と計算機実験を平行して進めた。実験としてはゾルゲル法と低温水熱法および溶液熱分解法により、BaTiO_3とSrTiO_3のナノ粒子を作製した。また一次元強誘電体および二次元薄膜を作製するために、基板上に酸化物を析出させた。得られた粒子に対しては、SPMにより強誘電性および誘電特性を調べた。また、大規模分子動力学計算プログラム(SIESA)により、誘電性に関する粒子サイズ効果と量子効果に関する研究に着手した。 仮定を用いない第一原理計算の結果、BaTiO_3はナノサイズに近づくにしたがって立方晶化して非強誘電体へ変化する様子が再現された。
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