2005 Fiscal Year Annual Research Report
フグ毒(TTX)産生細菌に関する研究-毒産生の最適化と産生機構の解明
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04F04212
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
荒川 修 長崎大学, 水産学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
YU Chun Fai 長崎大学, 水産学部, 外国人特別研究員
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Keywords | テトロドトキシン(TTX) / TTX産生細菌 / コモンフグ / トラフグ / オキナワフグ / サザナミフグ / シロサバフグ / コモンダマシ |
Research Abstract |
昨年度は、研究分担者が既に分離しているフグ毒(TTX)産生細菌につき、当研究室における継代培養を確立後、中規模培養を行ってTTX産生能を再確認するとともに、種々のフグ毒保有生物から細菌を分離し、TTX産生能のスクリーニングを行った。その結果、LC/MS分析において、ヒガンフグ腸管由来の1菌株から培地1ml当たり0.1MUに相当する量のTTXが、またTTX-ELISAにおいて、トラフグ、コモンフグ、ツムギハゼ、ウモレオウギガニおよびニホンイモリの体表由来8菌株から培地1ml当たり2.1×10^<-3>〜3.4×10^<-3>MUに相当するTTXが検出された。しかしながら、これらの細菌のTTX産生量が非常に微量であったため、本年度は、まず培養条件について若干の検討を加えてみたところ、低塩分(1%以下)、低pH(5^-6)、高温度(25〜28℃)で比較的安定したTTX産生が認められた。次いで、培養液に有毒コモンフグ、あるいは無毒養殖トラフグの組織片(腸管、肝臓、卵巣等)を添加して培養したところ、コモンフグの腸管および卵巣を添加したもので、培地1ml当たり最高4.8MUに達するTTX量の顕著な増加が認められた。 一方、フグの毒化機構に関連して、香港北東部のMirs湾に共存する海産フグ4種、すなわちオキナワフグ、サザナミフグ、シロサバフグおよびコモンダマシの食性について若干の検討を加えた。その結果、いずれの種においても消化管の形態〔相対腸管長(RIL)およびZihler指数(ZI)〕から推定した食性と消化管の内容物組成はよく一致しており、それらからオキナワフグは肉食性、他の3種は雑食性と判断された。
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