2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04F04257
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
木田 章義 京都大学, 文学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ZHONG JinWen 京都大学, 文学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 西部ユーコ語 / ユーコ語 / 類型学的研究 / 比較研究 / トルコ系言語 / 日本語 |
Research Abstract |
本年度は、鐘進文氏に日本語を習得して貰うことを主たる目標としていたが、鐘進文氏の日本語の文章の読解に関しては、ほぼ問題がないレベルに至っている。ただ、意見の交換の際の、微妙な表現の違いについては、まだ問題が残っているので、ユーコ語の例文の作成の時には、注意を必要とする。鐘進文氏の本年度の作業としては、中国で収集した大量のユーコ語資料を、整理し、必要な部分を日本語に翻訳してゆくことと、もう一つは受け入れ研究者との討議を経て、西部ユーコ語の文法書を作成することである。資料の整理は、まだ、音声的な資料の整理の段階であるが、文法書の作成については、ウイグル語の文法書がある程度できているので、ウイグル語と違っている部分を中心に、説明してゆくという方法で、比較的簡略な文法書を作っている。予想されたように、ユーコ語はトルコ系言語の特徴もよく残しているのであるが、同時に、裕固族が漢族の中で生きてきた長い時間の間に、中国語の影響をかなり強く受けていることも分かる。特に、語彙の面では、ほかのトルコ系語とは大きな違いがある。あるいは語彙集を先に作成する方が良いかとも相談しているところである。接辞の分類も行っているが、例文の量がまだ不足しているので、体系的な形には纏められていない。鐘進文氏の、資料の整理を待って、例文を2000以上集めてから、接辞の体系を調査する予定である。
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