2005 Fiscal Year Annual Research Report
凝縮物質系における可解量子はしご型スピン系と境界不純物効果
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04F04314
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
和達 三樹 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
GE Xiangyu 東京大学, 大学院理学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 非可換ソリトン / 可積分系 / 量子もつれ合い / 幾何学的位相 / ペリー位相 / ボース・アインシュタイン凝縮 / スピノル型凝縮体 / 非線形シュレディンガー方程式 |
Research Abstract |
可積分系理論の拡張と物性物理への応用、について以下の研究を行なった。 1.時間空間が非可換な場合の可積分系の考察を行なった。特に、非可換Kadomtsev-Petviashvili(KP)方程式ヒエラルキーを例にとり、Witten-Dijkgraaf-Verlinde-Verlinde(WDVV)方程式とタウ関数との関係を調べ、非可換タウ関数に対する新しい関係式、広田三重責関係式、を導いた。 2.量子論を特徴づける概念として、量子もつれ合い(Guantum entanglement)が注目を集めている。ここでは、量子もつれ合いの幾何学的意味を探るため、幾何学的位相との関連について考察した。一定磁場中にある、2つの相互作用するスピン粒子の幾何学的位相(ペリー位相)が量子もつれ合いにどのように依存するかを計算した。ます、量子もつれ合い依存の幾何学的位相を定式化する。その公式に、2粒子スピン系に対する解を導入することにより、幾何学的位相を厳密に求めることができた。この結果は、磁場中のスピンや相互作用するスピンに対するSjogvistの解析を、さらに一般化したものである。 3.全スピンF=1をもつボース・アインシュタイン凝縮体における波動伝播を考察した。原子間相互作用、スピン間相互作用が任意の場合の解析である。まず、平面波解を調べ、分極型(polar state)と強磁性型(ferromagnetic state)の2種類に分類されることを示した。これらの分類は、相互作用の大きさが特別な場合と同じであることが分かった。同様な解析により、1成分非線形シュレディンガ-方程式のソリトン状態がどのように導かれるかを明らかにした。 非可換ソリトン、情報、原子分子のボース・アインシュタイン凝縮と研究対象を大きく広げることができた。
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Research Products
(3 results)