2004 Fiscal Year Annual Research Report
軟弱地盤中のトンネル等地下構造物の耐震性実験と設計技術の研究
Project/Area Number |
04F04357
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
東畑 郁生 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KAMMERER GEORG 東京大学, 大学院・工学系研究科, 外国人特別研究員
|
Keywords | トンネル / 耐震 / 模型実験 / 振動台 / 軟弱地盤 / 震災 / 土圧 / 剛性 |
Research Abstract |
昨年10月の来日と本年初めの研究費支給決定を受けて、現在、トンネル模型の振動実験を開始したところである。また昨年秋の新潟中越地震において被害を受けたトンネルの踏査にも赴いた。 トンネルと周辺軟弱地盤との相互作用には、地震時土圧の発生機構の解明、トンネル構造に備わる剛性が土圧の大小に及ぼす影響、トンネルと地盤の変位・変形の予測、などのテーマがある。これらを実験を通じて実証的に調べるため、二種類のトンネル模型を制作した。第一の模型は高い剛性を持ち、たとえば鉄筋コンクリートの埋設地下鉄トンネルを想定している。トンネル本体が変形しにくく、地盤の振動の影響をまともに受けて、大きな荷重をこうむると考えられている。1995年の阪神大震災では、この種の地下鉄構造が大被害を受けた。他方、第二の模型はたわみ性を備えており、シールドトンネルに代表される、やや柔軟性を備えたトンネルに対応する。この種のトンネルは地盤の振動に合わせてある程度しなることができるので、土圧を軽減できる、と考えている。 現在、実験を開始したばかりであり、本年度の目標には、トンネルに作用する土圧分布を決定できるデータの取得を掲げている。 中越地震の現地踏査においては、山古志村の羽黒トンネルの被災状況を観察した。このトンネルは軟岩の山を掘りぬいたもので、地震によって頂部が縦に亀裂を開き、底部(路面)は横方向から圧縮されて、一種、座屈のような状況となった。このような被害形態はきわめて珍しく、その原因はよくわかっていない。これについても、本実験の結果から、解釈を提案したい。
|