2004 Fiscal Year Annual Research Report
船舶における機能要件された限界設計手法に関する研究
Project/Area Number |
04F04374
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
池田 良穂 大阪府立大学, 大学院・工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ABUDUL Munif 大阪府立大学, 大学院・工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 横漂流運動 / 転覆確率 / 不規則横波および横風 / 船舶の復原性 / piece-wise Linear stochasticモデル |
Research Abstract |
船舶の横波中の運動においては、横漂流影響は無視されることが多く、国際海事機構(IMO)による復原性基準の確立においてさえも運動に対する横漂流影響は考慮に入れられていない。本研究においては、数種の船の転覆確率に関する横漂流影響を調査し、波力と風力が同時に船体に作用する環境下において、波と風に起因する横漂流速度を計算する数値手法を構築した。さらに、転覆確率計算のpiece-wise linear stochasticモデルに、横漂流の影響が考慮できるようにした修正モデルを構築した。この構築した手法、計算モデルをコンピュータプログラムに組み込み、それを用いて、3種類の船、大型客船、日本のまき網漁船、日本の漁業練習船の転覆確率を計算した。その結果、下記のようないくつかの重要な結果が得られた。 ・横漂流は、穏やかな天候下でも厳しい天候下でも、転覆確率に大きな影響を及ぼす。 ・横漂流している大型客船の転覆確率は、平均出会周期が船の横揺れ固有周期に近くなるため、横漂流影響を受けていないときより高い。 ・横漂流している日本のまき網漁船と漁業研修船の転覆確率は、出会周期が船の横揺れ固有周期から離れるため、横漂流影響を受けていないものより小さくなる。 ・船舶の乾舷の増加に伴う静的復原性の増加は転覆の危険性を減少させる。またメタセンター高さの増加もまた、転覆の危険性を減ずる。 ・構築された手法、計算モデルに基づくコンピュータプログラムを用いて、船の転覆確率による復原性評価を行うことが可能となり、これは現在の復原性基準の見直しのために大きな貢献ができるものと思われる。
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Research Products
(2 results)